
2024年の訪日外国人旅行者数は、日本政府観光局(JNTO)の推計値で過去最高の3687万人に達した。政府がビジット・ジャパン事業を開始した03年の521万人から約7倍に増えた。人数の増加と1人当たり旅行支出の伸びに伴い24年の訪日外国人旅行消費額も過去最高。観光庁のインバウンド消費動向調査による速報値で8.1兆円となった。コロナ禍を乗り越え、訪日インバウンドは新たな局面に入ってきた。
訪日外国人旅行者数が初めて1千万人を超えたのが13年、2千万人を突破したのが16年、3千万人台に初めて乗ったのが18年。コロナ禍で実質ゼロとなる事態を経て、V字回復を果たした。年間4千万人時代が目前となり、政府が目標に掲げる2030年の6千万人も近づいてきた。
訪日外国人旅行者が年間1千万人だった13年の観光庁・宿泊旅行統計を見ると、延べ宿泊者数全体に占める外国人の割合は約14人に1人に過ぎなかったが、直近の24年11月には4人に1人以上が外国人となった。外国人の割合については地域差があるとはいえ、10年余りの間に局面が大きく変わったことが分かる。
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