日経リサーチは5月28日、iPhoneの日本における強さの理由に関する調査の結果を発表した。
■ユーザーに際立つ継続意向者の多さ
iPhoneが日本のスマートフォン市場に占めるシェアは半分近くにのぼり、極めて高い状態にある。さらに、調査回答者でユーザーの多かったiPhone、Xperia、AQUOSの3機種で継続意向を比較すると、iPhoneは「絶対に同じ端末(機種)を選ぶ」が27%と他機種と比べて多く、固定ファンを多く抱えている(図1)
図1.利用機種別の継続意向の違い
iPhoneが、これほど支持される理由はどこにあるのだろうか? iPhoneユーザーに聞いたアンケート結果を自由回答も含めて分析することで、その理由を探った。
今回は、日経リサーチ独自の手法「CrossRanking」※を用いて分析した。
iPhoneユーザーを継続意向の強さで3つのグループに分けると、それぞれの違いが浮かび上がってきた。
個別の分析結果を詳しくご紹介しよう。
■ロイヤルユーザーはAppleのエコシステムを評価
iPhoneユーザーのうち、次も「絶対にiPhoneを選ぶ」人をロイヤルユーザーとすると、「データ」の「移行」が「楽」であることを多くの人があげている。また、「故障」しない信頼性、所有するiPadやMacBookと「同期」できる点も評価されている。このことから、ロイヤルユーザーはApple社製品全般のファンであり、同社のエコシステムをフルに活用している人が多いと考えられる。
一方で不満点としては、自分の「手」の大きさに合わないという回答があがっており、iPhoneの大型化を歓迎していない様子がみてとれる。
表1.iPhoneロイヤルユーザーの自由回答の特徴単語ランキング
次に、継続意向で「おそらくiPhoneを選ぶ」と回答した「一般ユーザー」は、「使い慣れた」iPhoneから別の機種に乗り換えると、「操作」を覚えるのが「面倒」という声が多かった。学習コストを払いたくない人が浮かび上がってくる。
なお、悪い点としては「充電」が持たないことや、「頻繁」にOSのアップデートがあることなどへの不満があげられた。
表2.iPhone一般ユーザーの自由回答の特徴単語ランキング
最後にこれら以外の「どちらともいえない」や「選ばない」という選択肢を選んだユーザーの回答を分析した。多くあげられた特徴的な単語から推察すると、「高い」「価格」を払うだけの価値があるのか、次に「買い替える」時には「検討」したい、というコストパフォーマンスをきちんと見極めようとする姿勢がうかがえる。
表3.iPhone離反予備ユーザーの自由回答の特徴単語ランキング
※CrossRankingとは、大量の自由回答データを集計し、特徴があるものだけを抽出、ランキングで並べる分析手法
調査手法:インターネット調査
調査地域:全国
調査時期:2019年12月12日~12月17日
調査対象:日経リサーチインターネットモニター
回答者数 :1623人