豪連邦科学産業研究機構による研究によりますと、湿度50%を前提とし、「ガラス上では、気温30℃で失活までの時間は7日、気温20℃で失活までの時間28日後でも残っていた。ビニール上では、気温30℃で失活までの時間3日、気温20℃で失活までの時間28日後でも残っていた。ステンレススチール上では、気温30℃で失活までの時間7日、気温20℃で失活までの時間28日後でも残っていた。紙幣の上では、気温30℃で失活までの時間21日間わずかに残った、気温20℃で失活までの時間28日後でも残っていた。木綿の布の上では、気温30℃で失活までの時間3日、気温20℃で失活までの時間14日目までに失活した。」と報告されています。上記のようにそもそも体外での生存期間が長いだけではなく、一定の季節性が認められ、北京大学の研究チームより、今年3月27日時点の世界166カ国の感染例を分析したところ、気温が1度上昇すると、1日の新規の症例者数は3.08%、新規の死亡者数は1.19%減っており、また湿度が1%上がった場合は、1日の新規の症例者数は0.85%、新規の死亡者数は0.51%減ったと報告されています(例外はインド、ブラジル)。
ワクチン開発に関する朗報が相次ぐものの、それらが供給されるまで、この冬場がある意味コロナ禍最後の大きな戦いとなりそうである。弊会では、弊会の感染症対策検討委員会とともに、これまで様々な地域で感染症拡大防止対策のサポートをさせていただいてきました。それら取り組みの中で、今こそ、レベル最高位の感染症拡大防止対策が求められており、具体的には以下のような取り組みが求められるものと考えています。
▽今回の新型コロナウイルス及びその感染症に関して高い知識を有するスタッフを養成すること。そのスタッフにより、定期訓練に関するフロー図を作成準備する他、館内での感染症防止対策に関するパトロールを実施すること。
▽感染症拡大防止対策に関する会社の姿勢を明確に示すこと。
▽他人事とならないよう、全社員が関連するような責任体制を明確化すること。
▽自館の特性に合わせた作業フロー図を準備し社員に事前に示すこと。
▽必要な備品類やそれら保管場所を明確化すること。
▽リスクレベルの違いに応じて内容を調整すること(スタッフィングでは完全分離による2班体制化(入れ替わり時間の設定を含む。)や会議数や会議内容、販売可能客室数の調整指針、通勤方法の変更指針等)。
▽リスクレベルや条件設定を変化させて感染症対応訓練を継続すること。
▽休館の条件や再開手法も用意すること。
▽公表指針を明確化すること。
なお、リスクレベルに関して、参考までに熊本県が作成したリスクレベル基準表をベースに弊会感染症対策防止対策レベルを追記すると以下のとおりとなります。感染症対応訓練に関しましても、それらリスクレベルに応じた対策の準備が求められます。リスクレベルに関しては、例えば熊本県によるリスクレベルを参考としますと、以下のように示されています。レベル5(厳戒警報)県内で①新規感染者150名以上且つ②病床使用率25%以上等。レベル4(特別警報)県内で①新規感染者50名以上且つ②リンク無し感染者25名以上。レベル3(警報)県内で①新規感染者30名以上又は②リンク無し感染者15名以上。レベル2(警報)県内で①新規感染者が発生且つ②レベル3に該当しない場合。レベル1(注意)国内で①新規感染者が発生且つ②県内では新規感染者が未発生。レベル0(平常)国内で新規感染者が確認されていない。
一般社団法人観光品質認証協会 統括理事
㈱サクラクオリティマネジメント 代表取締役
㈱日本ホテルアプレイザル 取締役
不動産鑑定士,MAI,CRE,FRICS 北村 剛史
北村氏