生きる力を育む~体験がミライを創る
日本の国が始まった地、奈良県で「民家ステイ」の受け入れを行っています。
今を生きる生徒たちをとりまく環境は急速に変化しています。日常生活の中でも仮想的な体験ばかりが増え、「生きる力」を育む機会が少なくなっています。仲間と共に、今までの経験をもとに工夫・判断すること、初めて出会った人とコミュニケーションをとり、関係を築くことが民家ステイでは求められます。ここでの経験を通して身に付けてほしい力は、まさに社会に出たときに役立つものと考えています。
民家ステイは、地域のホストファミリーのいつも通りの生活の中に入り、家族の一人として過ごすプログラムです。食事作りや団らんなどを通して、ホストファミリーと一緒にいていっぱい話すこと、交流&コミュニケーションが肝。体験は目的ではなく、交流するための手段だと位置づけています。
古代の遺跡が点在するここ大和・飛鳥は、自然体験学習や社会体験学習に加え、実物に直に触れる歴史学習ができることも特徴の一つで「総合的な学習」の実施が可能な地域です。都会にはない地方の魅力や課題について学ぶ貴重な機会としてもご利用いただいています。また、ステイ中の食事作り体験は、「孤食」の問題点が問われる今こそ「共食」の大切さを見直せる契機にしてほしいと考えています。
「大和・飛鳥民家ステイ」でできる探求学習
(1)地方の暮らしに触れることは=日本のミライの問題点に触れること
都会では埋もれてしまっている問題が地方では既に顕著化されています。自身の住む地域と比較することで、家族や自分に対する思いを振り返る比較学習も可能。景観保全のメリットやデメリットを学び、持続可能な地域づくりを考えます(=SDGsにつながる学習)。
(2)民家ステイワークシート活用でより深い学びを
事前に自ら課題を見つけ、情報収集し、整理してから、民家ステイ当日を迎えられるシートをご用意します。体験だけで終わらせることがないよう、事後の振り返りの時間を取ることで、何か一つでも持ち帰ってもらいたいと考えています(=比較学習)。
(3)命をいただくことを身近に感じる~食育
日常ではなかなかできない調理体験。生産現場を見たり、農作業を体験したり、ホストファミリーと一緒に調理し片付けまですることで、食に対しもっと関心を持ってほしいと願います。毎日食事を作ってくれる親への感謝の気持ちが芽生えたり、食わず嫌いが直ることもあります。
日本の国が始まったこの地で、新しい家族に出会うのが「大和・飛鳥民家ステイ」です。その新しい家族に会いに、また、この地に戻って来てほしい。一人一人の生徒にとって、宝物のような時間になってほしい。そして、「ほんもの」の体験を通して、常に自ら考え行動できる人であってほしいと願いながら、生徒を送り出しています。
受け入れエリアが広域化
飛鳥エリア、宇陀エリア、下市エリアに約120軒のホストファミリーを有し、約450人の受け入れが可能となりました。
石舞台古墳をホストファミリーのガイドで巡る
大和飛鳥ニューツーリズム