【交通トレンド分析106】ハワイ入国。出発は手間も、入国はスムーズ 鳥海高太朗


 私は新型コロナウイルス感染拡大以降初めて、1年5カ月ぶりに日本を出国した。目的地はハワイのホノルル。アフターコロナにおいて今、海外旅行が復活した際に日本人が最初に訪れる人が増えそうなのがハワイになりそうという私自身の考えのもと、6月下旬に羽田空港からANA便でホノルルへ向かった。

 ハワイへの入国に際しては航空券を予約した後、出発前までにまずはハワイ州の「Safe Travels Program(セーフトラベルズプログラム)」の登録をインターネット上で行う必要がある。まずハワイに到着する便名などの渡航情報を入力した後、日本出発便の72時間前を切った段階でハワイ州保健局が指定する日本国内の医療機関でPCR検査を受ける(3万円台のところが多い)。陰性証明を取得した後、少し手間にはなるが自宅やオフィス、もしくはコンビニエンスストアのスキャナでPDFに変換し(スマートフォンの写真機能は不可)、先ほどのセーフトラベルズプログラムにアップロードする作業が必要となる。そして出発の24時間を切った段階で健康状態に関する申告フォームを回答することで飛行機のチェックイン時やハワイで必要となる「QRコード」を取得可能だ。また、アメリカ合衆国に入国するにあたり、アメリカ政府の誓約書もチェックインカウンターで提出する必要があることから、事前にダウンロードしておくと良いだろう。ESTAも忘れないように気を付けよう。

 出発当日、チェックインの際には航空券(eチケット)以外に陰性証明書、誓約書、そしてセーフトラベルズプログラムでの健康状態に関する申告フォーム入力後に表示される「QRコード」をプリントアウトするか、もしくはスマートフォンで表示できるようにしておく必要がある。出発当日は、チェックインと同時に事前検疫審査(プリクリアランス)をほとんどの日本出発ハワイ便で受けることが可能で、航空会社の地上係員のタブレットを使っての手続きで、入国後の10日間自己隔離なしでハワイに滞在できる表示に切り替わる。ANAの場合、搭乗券にシールが貼られ、プリクリアランスを終えている証明となり、ホノルル到着時には搭乗券は必ず提示する必要がある。今回、ホノルル空港到着時には、入国審査後、自己隔離の有無をチェックするエリアで搭乗半券を見せて到着ロビーに出ることができた。国際線の到着便が少ないこともあり、いつも以上にスムーズに入国ができた。

 日本出発前の準備は若干複雑であるが、その分ホノルル到着後は拍子抜けするぐらい簡単だった。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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