ANAやJALでは、飛行機のフライトや日常でのショッピングなどでためたマイルを使い特典航空券への交換が可能だが、10月31日からは国内線の特典航空券へ交換する場合に一つルールが変わる。国内線旅客施設使用料(PFC)対象空港発着便において特典航空券利用時に別徴収が開始されることとなった。
国内線の通常の有償航空券を購入する場合、購入する運賃に羽田空港をはじめ、都市部の空港を中心に利用者から徴収する国内線旅客施設使用料が含まれる形となり、例えば羽田空港発着便では片道あたり290円、伊丹空港発着便でも260円が徴収される。ANAやJALをはじめ、対象となる空港を発着する国内線のほとんどの航空会社は、国内線旅客施設使用料を含んだ金額をホームページ上で運賃を検索する場合には表示されている。
特典航空券も、従来は必要マイル数の中に含めた形になっていたが、正確に言えば、国内線旅客施設使用料が設定されている区間であっても、設定されていない区間であっても必要マイル数の設定が同じマイル数であれば変わらない仕組みになっており、実質は航空会社が必要マイル数の中から負担していたということになる。今回ANAとJALでは、10月31日搭乗分以降の国内線特典航空券から国内線旅客施設使用料(PFC)を利用者から徴収することになった。
徴収方法においてはANAマイレージクラブ(ANA)、JALマイレージバンク(JAL)で異なる。ANAでは特典航空券予約時にクレジットカードでの対象額分の徴収、JALでは「1円=1マイル」換算でマイルでの徴収となる。ANA、JALともに国内線旅客施設使用料を設定している新千歳、仙台、成田、羽田、中部、伊丹、関西、北九州、福岡、那覇の各空港が対象空港となる。最も多くの利用者がいる羽田空港では290円に設定されているが、出発、到着の双方で必要となる。また出発地と到着地の両方が対象空港となる場合には、両方の空港の国内線旅客施設使用料を合算することになる。旅行での利用が多い沖縄の那覇空港では120円に設定されていることから、羽田から那覇へ飛ぶ場合においてはANAでは410円、JALでは410マイルがこれまでの必要マイル数に加えて徴収されることになる。最も国内線旅客施設使用料が高いのは成田空港の450円、次に中部空港と関西空港の440円となっている。
最近ではマイルを使って気軽に旅行へ出かける人が増えているが、わずかな金額もしくはマイルではあるが、利用の際には注意が必要だ。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)