【交通トレンド分析153】成田、帰国便到着から約30分で到着ロビーに 鳥海高太朗


 6月から帰国時の到着検査(抗原検査)が一部の国からの入国を除いて不要になった。私も7月3日にホノルルから成田空港にANAのエアバスA380型機で到着した際に、従来と比べてどのくらい短くなったのか検証することができた。5月4日にロサンゼルスから成田空港に到着した際に比べると明らかに日本に入国する人が増えている(日本人、外国人ともに)ことを感じたが、帰国時の抗原検査がなくなったことで入国までに要する時間は大きく短縮された。簡単に言えば、唾液による抗原検査と検査の結果待ちの時間が短縮されることになるが、実際は事務手続きも簡略化されていた。

 現地出発前に「My SOS」をインストールした後、帰国便出発72時間以内のPCR検査の陰性証明書とワクチン接種証明書、さらに質問書、誓約書などの登録を済ませる。画面が青色の表示になっていれば、到着後に係員がパスポートと共に「My SOS」内のQRコードを読み取り情報が一致することで、チェックを終えて入国審査に進むことを許可する青色の紙が渡され、そのまま入国審査へ進むことができた。ただ、歩く距離自体はゴールデンウイークに利用した際とは変わらず、歩く距離はそれなりにあった。できる限り荷物は預け、身軽な感じで手続きに進むことが望ましい。

 今回、私が利用したホノルルからのANAのエアバスA380型機自体、200人以上の利用者がいたことに加えて、他の便も複数到着していたことで、飛行機を降りてから書類チェックまで15分近く並んだ。その後はスムーズで、書類チェック後は入国審査、預けていた荷物を引き取り、税関を通過して到着ロビーには飛行機を降りてから約35分で到達できた。空いていれば、羽田空港・成田空港ともに20分程度で出られた話も聞く。

 5月までは最短でも1時間半程度で、平均では2時間、到着便が重なると4時間以上もかかったケースもあったが、到着時検査がなくなり、さらに日本入国後の自主待機が不要になったことでアプリの動作チェックも簡素化された。また、待機場所の登録なども不要となり短くなった。それでも欧米などの出発前における陰性証明書の確認だけの状況に比べると手続きは多いが、改善されたことは間違いない。海外に渡航する日本人から聞かれる声としては、やはり現地出発72時間以内のPCR検査が面倒という声が多い。

 感染状況にもよるが、帰国前の検査が不要になれば、コロナ前の状況に近づくが、それにはもう少し時間が掛かりそうだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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