【交通トレンド分析162】水際緩和、早速海外から帰国して感じたこと 鳥海高太朗


 9月7日より水際対策緩和により、新型コロナウイルスのワクチン3回以上接種で帰国前に現地出発72時間以内に義務付けられたPCR検査が不要となった。そこで東南アジアの状況の調査も含めて、急遽(きゅうきょ)9月10日(土)から1泊3日で12日(月)の早朝に帰国するという週末海外旅行でシンガポールへ向かった。

 シンガポールでの様子は次回触れたいと思うが、日本に帰国するにあたり「My SOS」というアプリが以前から必須になっており、以前のように帰国後に自宅やホテルなどでの自主待機があった際にもこのアプリを使って管理されていた。現在では、ワクチン接種証明書やPCRなどの陰性証明書もアプリ上で登録可能となり、日本に入国するにあたって必要な書類を事前審査してくれる機能が追加されたことで利用しやすくなった。アプリ画面の色が審査状況に応じて、「赤」「黄」「緑」「青」と表示されるが、「青」になっていれば、基本的にはアプリ確認のみで書類の提示は原則求められず、日本到着後にスムーズに入国できるようになった。

 9月7日以前は現地でのPCR検査が義務付けられていたことから、日本出発前には書類が完全に整った「青」の画面表示になることはなかった。9月7日以降は3回接種以上のワクチン接種証明書をアップロードすることで、日本出発前に青に表示がなったことで、帰国できないリスクはその時点でほぼなくなった(現地で高熱など体調を崩さない限り)。それだけでも出発前の精神的負担はなくなり、コロナ前に近い気持ちで気軽に海外旅行へ出かけられるようになったことは大きく、旅行が好きな人であっても帰国前のPCR検査で陽性になって帰国できないリスクを取れなくて断念していた人が多かったが、そのリスクが払拭(ふっしょく)できたことは大きい。

 12日(月)の早朝に帰国したが、「My SOS」の画面が青になっているにも関わらず、入国者管理センターから派遣された係員によるアプリとパスポートの照合が行われ、わずかな手続き時間ではあるが、確認が行われた。私が訪れたシンガポールでは、入国前に「SG ARRIVAL」という仕組みで日本同様にワクチン接種証明書をアップロードしているが、入国関連書類もオンライン登録でき、そのおかげで入国カードが不要となった。

 入国審査時に入国審査官がワクチン接種状況も確認可能で、二度手間をせずにスムーズに入国できたが日本も厚生労働省と法務省と検疫と入国で管轄が異なるが、手続きだけでも一元化することでよりスムーズになるだろう。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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