12月2日、羽田空港の国際線が発着する第3ターミナルを運営する東京国際空港ターミナル(TIAT)は、午前8時~昼12時30分ごろまでに出発するフライトにおいて、保安検査まで最大1時間程度をお待ちいただく場合があるとホームページ上で告知しているが、私自身も11月上旬に午前中の便で台北へ向かう際に想定以上の混雑だった。その時の状況から考えると、まず保安検査場の手前で各航空会社のチェックインカウンターでどの程度の時間を要するかということである。
これは羽田空港・成田空港・関西空港など全ての空港で言えることであるが、コロナ前に比べて1人当たりのチェックインに要する時間が増えていることも要因としては挙げられる。というのも、各国の入国要件に合わせたワクチン接種証明書や誓約書などの書類チェックに時間を要することも大きい。各航空会社では事前にWEB上で必要書類をアップロードすることによる事前確認を一部実施することで、チェックインカウンターでの書類チェックの時間短縮を行っているほか、国によってはコロナ前、同様の入国要件で渡航可能な国も出てきており、預ける手荷物がなければオンラインチェックインのみでそのまま保安検査・入国審査へ進むことも可能であるが、まだ係員による手続きが必要なケースが多い。エコノミークラスにおいてはチェックインだけでも1時間近く要するケースも午前中を中心に珍しくない。さらに保安検査場の混雑となる。
私は11月上旬に利用した際には15分程度、保安検査場の通過に時間がかかった。私自身はマイレージの上級会員ということでコロナ前は優先の保安検査場を利用することができたが現在は優先レーンの運用を停止していた。羽田空港第3ターミナルには二つの保安検査場(中央・北)があるが、最近までは中央のみの運用となっていたが、最近になって北の保安検査場も朝7時~10時45分までに限って運用を再開している。もう一つの保安検査場が再オープンしたことで混雑緩和につながっていることは間違いないが、これからクリスマス、冬休み、年末年始を海外で過ごす人も増えていく中で、出発の2時間半前くらいには空港に到着しているのが無難だろう。
関係者に話を聞くと、他の空港も含めて急激に便数が回復していることもあり、保安検査の係員が不足しているという実態もあるようだ。コロナ禍で退職した人も多く、再び人を集めるのは簡単ではないとのことだ。ただ国際線に人が戻ってきていることは明らかである。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)