【交通トレンド分析18】JAL・ANA国内線自動チェックイン締め切りが20分前に 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 10月26日よりANA、JALでは国内線のチェックイン締め切り時刻(保安検査場通過)を従来の15分前から20分前までに変更されることになった。ANAでは既に羽田空港に限って昨年12月1日から15分前に変更されていたが、ANA・JALの全空港において20分前までに変更される。同時にANAとコードシェア便を行っているAIRDO、ソラシドエア、スターフライヤー、またJALグループの日本トランスオーシャン航空、琉球エアコミューター、日本エアコミューター、JALとコードシェア便を行っているフジドリームエアラインズ、天草エアラインも20分前までに変更となる。20分前に変更されることにおいては、羽田空港を中心にターミナルが広くなっており、15分前通過では搭乗ゲートに到着した段階で出発時刻になってしまう可能性があるほか、さらなる定時性向上や手荷物のスムーズな搭載も含め、ANA・JAL共に全ての空港で20分前となる。筆者が考える期待においては、20分前になることで、これまで以上にスムーズに搭乗が進み、定刻よりも少し早く出発するケースも増えることが想定される。そうなれば目的地にも確実に定刻に到着できるメリットもあるなど、より定時性が高まることになる。

 ANAやJALの国内線が海外の航空会社と大きく異なるのが、チェックイン締め切り時刻=保安検査場通過としている点だ。一般的にはチェックインカウンターもしくは自動チェックイン機の締め切り時刻を指すことが多いが、ANAやJALは保安検査場通過時間にしている点だ。多くの利用者がANA「スキップサービス」、JAL「JALタッチ&ゴーサービス」を活用し、IC機能付きのマイレージカード(ANAカードやJALカードを含む)やeチケットに印刷されている2次元バーコード、iPhoneのWalletなどを活用することで、荷物を預ける必要がない利用者の多くがチェックインカウンターに立ち寄らず、そのまま保安検査場へ向かうことになる。ほとんどの利用者が事前に座席指定を済ませていることから実現できる搭乗スタイルで、チェックインが不要であることから新幹線を利用する際と変わらない利便性で飛行機に搭乗できている。また、航空会社側も利用者が保安検査場を通過しているかどうかを把握することが可能であり、搭乗の最終案内の際に利用者を探しやすいという利点もある。海外では国内線でも1時間前締め切りというのも珍しくなく、45分前締め切りという場合が多い中で5分早くなったとはいえ、20分前の保安検査場通過で飛行機に乗れてしまうANA・JALの空港オペレーションは世界にも誇れるだろう。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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