さっぽろ雪まつりが3年ぶりに2月4日に開幕した。私も初日の2月4、5日の土日に現地を訪れたが、多くの観光客であふれ、札幌の街並みはにぎわいを取り戻していた。
特に印象的だったのが外国人観光客。私も10月以降月に1回のペースで札幌を訪れているが、ここにきて一気にインバウンド復活を目の当たりにした。新千歳空港に到着する国際線に加え、私が搭乗した羽田からの便にも乗り継ぎ利用の外国人観光客の姿が多く見られた。アジア、アメリカ、ヨーロッパなど、入国が難しい中国人以外の外国人が雪まつりに合わせて札幌を訪れていた。
日曜日の夕方に、私は新千歳空港から東京へ戻るために、札幌駅から快速エアポートを利用したが、久しぶりに指定席「uシート」が1時間先まで満席になっていたのが印象的であった。2020年春にダイヤ改正で従来の15分間隔から12分間隔になったことで、1時間あたりの運転本数も4本から5本に増えたが効果がようやく出てきたことを実感した。
新千歳空港の保安検査場には長い行列ができており、通過に15分以上かかっていた。私自身も上級会員の優先レーンを利用したが、それでも10分程度かかった。飛行機もANAのボーイング777―300型機で514席仕様だったが全席満席だった。当然ながらホテルの価格も上昇しており、週末だとホテルも2名1室で1泊3万円以上に直前では高騰していたが、空いている部屋もわずかだった。
今回の雪まつりでは、コロナ前と異なる点としては、大通公園に露店が出ていないことくらいで、それ以外はほぼ変わらない状況で運営されていた。雪まつり期間中の札幌はコロナ前とほぼ変わらない人出の感じだった。今年は雪まつり開催の前の週にも雪がたくさん降ったこともあり、大通公園の雪像やすすきの会場の氷像も奇麗で、さすが雪まつりというクオリティになっていた。
海外からのインバウンド客もたくさん写真を撮影している光景があったが、日本人においては、ロサンゼルスエンゼルスの大谷翔平選手、北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督の雪像前に多くの人が集まっていたほか、初音ミクの冬バージョンの「雪ミク」には若い人&外国人を中心に混雑していたほか、夜はプロジェクションマッピングでも盛り上がっていた。
GW明けに「2類」から「5類」に変更されることが決まり、さらなる入国制限緩和が期待できるが、今回の雪まつりの成功は今年の観光業界においても明るい話題になった。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)