WBC(ワールドベースボールクラシック)は日本が3回目の優勝で幕を閉じた。東京ラウンドから熱狂の渦に日本中が包み込まれたが、私は準決勝、決勝を観戦するためにアメリカ・マイアミへ向かい、侍ジャパンの優勝の瞬間を現地で味わった。準決勝の逆転サヨナラ、決勝の大谷翔平選手の抑えなど、2試合共に世紀の一戦として語り継がれることになるが、今回注目されたのが時差調整であった。私自身も時差ボケなしで観戦するために活用したのがマイアミ空港直結のエアポートホテルだった。実は私にとっては23年ぶりのマイアミだったが、その際にも翌日の飛行機が早朝だったことからマイアミ空港直結のエアポートホテル「Miami International Airport Hotel」に宿泊していた記憶があった。
今回私は羽田空港を夜23時ごろに出発し、ロサンゼルス乗り換えでマイアミに早朝4時半に到着した。到着して朝9時過ぎまで眠ることで時差ボケの解消につながることを考え(もちろん機内での過ごし方も重要)、朝4時半にチェックインできるように前日からホテルを押さえていた。さらにマイアミ空港のホテルは直結というよりはターミナル内にあるホテルという利便性抜群の空港で、預けていた荷物をターンテーブルで受け取ってからフロントまでは3分で到達できた。チェックインを済ませてカードキーをもらい、朝から5時前には部屋に入ることができ、シャワーを浴びてすぐに寝ることができた。9時過ぎに起床して、マイアミビーチへの観光に出かけたが、無駄な時間がなくホテルに入れたことは非常に大きかった。エアポートホテルは、乗り継ぎ時はもちろんであるが、深夜、早朝に到着、出発する際にも非常にありがたい存在であることを改めて認識した。
日本国内にも空港直結もしくは隣接しているホテルが、羽田、伊丹、関西、中部、新千歳などにある。その中でも個人的に一番移動距離が短いのが伊丹空港にある「大阪空港ホテル」だろう。到着ロビーからフロントまでも至近距離であり、私も時々利用しているが、大きな荷物がある時などは重宝している。また新千歳空港の「エアターミナルホテル」もターミナル内にホテルがあるので便利だ。
最近では羽田空港第3ターミナルに隣接する「ホテルヴィラフォンテーヌ」は1717室を擁しており、連絡通路経由になるがバスに乗らなくて良いのは外国人観光客にとってもありがたい存在。周辺ホテルよりは若干割高になるが、空港直結ホテルは状況に応じて活用すると旅の幅が広がるだろう。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)