9月に入り、久しぶりに週末に函館へ向かった。コロナ禍においてプライベートの旅行でも訪れる機会が多かった函館であるが、最近ではホテルの朝食を競い合っており、函館のベイエリアにある「ラビスタ函館ベイ」「函館国際ホテル」「センチュリーマリーナ函館」の人気3ホテルに加えて、今年5月にはラビスタ函館ベイの別棟の「ラビスタ函館ベイANNEX」が開業するなど、アフターコロナで私自身が注目している場所である。
首都圏から函館へ向かう場合において、飛行機と新幹線、どちらでも行くことができるのも魅力で、飛行機の場合は羽田空港から約1時間20分のフライトで函館空港に到着し、函館空港からは函館駅までバスで約20分という近さである。飛行機もANA、JAL、AIRDO(ANAとのコードシェア便)の3社が合計1日8往復飛んでおり、新千歳空港よりも手前に位置し、発着便数も多くないことで、スムーズな着陸が可能で、利便性はとても高い。
また北海道新幹線が2016年3月に新函館北斗まで開業したことで、東京駅から新函館北斗駅まで最速で4時間弱、新函館北斗駅から函館駅まで「はこだてライナー」を利用して、おおむね4時間半程度で行くことができる。
所要時間だけ見ると飛行機の方が早いが、飛行機が苦手な人や強風や大雪、視界不良などで函館空港が閉鎖された際に運休リスクが低い新幹線が走っていることの意味は大きく、飛行機と新幹線の好きな方を選べるのは、リスクの少ない旅行が可能な場所である。
唯一不便と感じるのが、函館空港から飛行機で羽田空港へ戻る際、午後以降に帰る場合は問題ないが、朝戻ってそのまま仕事の時である。現在は朝の始発便の出発が午前9時10分発で羽田空港到着は10時40分になっている。都内で仕事がある場合でも朝移動だと昼からしか動けない点だ。
始発の北海道新幹線は新函館北斗駅6時39分に発車し、東京駅に到着するのは11時04分になってしまう。同じ北海道でも新千歳空港だと朝7時30分発の便があり、羽田空港に9時05分着であり、早ければ10時過ぎから都内で動けるのだ。
羽田―函館線については、ANA、JAL、AIRDOの3社共に函館空港にナイトステイ(夜間駐機)をしておらず、函館発の始発便も羽田からの折り返し便となっている。函館空港の運用時間は朝7時半となっており、8時前に始発便があれば、もっと東京との利便性が高くなるだろう。
しかしながら、函館への利便性は高く、今年は函館にお出かけになってみてはいかがだろうか。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)