9月30日(土)、10月1日(日)に新千歳空港国際線ターミナルで開催された「新千歳空港 世界の旅フェスタ」に登壇するため、9月30日に国際線ターミナルへ向かった。私は新型コロナウイルスの影響で新千歳空港発着の国際線が全便運休になった直後の2020年4月1日に訪れたが、閑散としているというか、人とすれ違うこともほとんどなかったことを思い出す。国内線利用者も大きく減少し、新千歳空港国内線ターミナルでいつも行列が絶えなかった美瑛選果の「コーンパン」も並ばずに購入することができた。
そこから約2年4カ月にわたって国際線が完全運休だったが、22年7月に大韓航空のソウル線で運航を再開。再開から1年3カ月が経過し、今はソウル、釜山、北京、上海、台北、香港、バンコク、シンガポールの8路線まで回復した。
今回、半日近く新千歳空港国際線ターミナル周辺で様子を見ていたが、到着ロビーにはアジア各地から到着したインバウンドの訪日外国人観光客の姿が、またチェックインカウンターには北海道で買った多くのお土産を持ってチェックイン手続きをしている多くの人の光景を見ることができた。
新千歳空港国際線ターミナルは、国内線ターミナルから連絡通路で行くことができる。19年8月末に従来の2倍の広さに拡張し、保安検査場の手前にもお土産店があるほか、保安検査後、出国審査後にも飲食店や免税店もある。筆者の感覚ではあるが、羽田、成田、関西、中部、福岡に次ぐ規模ではないかと思う。コロナ前、特に2月の「さっぽろ雪まつり」の時期には、ボーイング747型機や777型機などの大型機も新千歳便に続々と投入され、大混雑にしていたのが印象的である。
コロナに入る前に新千歳空港の発着枠も拡大され、新千歳空港駅と札幌駅を結ぶJR「快速エアポート」も従来の15分間隔から12分間隔に増発したが、最近になって12分間隔の「快速エアポート」も混雑する列車が増えてきた。
そして何よりも札幌市内のホテル価格が急上昇している。ビジネスホテルではコロナ前の2倍以上になっているケースもあるが、その理由としてインバウンドの急回復による要因も大きい。
今年2月の「さっぽろ雪まつり」でもホテル代はかなり高かったが、来年2月はインバウンドがさらに回復することでより高騰することになるだろう。
新千歳空港のインバウンドの様子を見ると、これから北海道へ行く人は早めにホテルの予約をしておくことが得策のようだ。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)