【交通トレンド分析216】久しぶりに寝台特急「サンライズ出雲」に乗車 鳥海高太朗


 11月の3連休は、気温も高かったこと、そして多くの場所で天候にも恵まれたこともあり、観光地を中心ににぎわった。私自身は久しぶりに出雲大社へ向かうべく、旅行の計画を立てていた。できれば日本唯一の定期列車として運行されている寝台特急「サンライズ出雲」に乗って出雲まで移動したいと考えていた。しかし、サンライズ出雲は予約開始の1カ月前にほとんどの列車で売り切れてしまう人気列車であった。

 私の過去の経験上、乗車希望日の3日を切ってから時々空席が出ることもあったので、ギリギリまでチャンスを伺いながら、キャンセル可能な航空券を予約していた。そして乗車希望日の11月3日、当日の昼に最後にダメもとで駅のみどりの窓口に空いているか聞いてみると、なんと1室だけ空席が出たとのことで、その場で購入し、夜21時過ぎに東京駅へ。

 東京駅の発車は21時50分発、予約できたB寝台個室「シングル」の客室に荷物を置いて再度ホームへ出たが、特段引退する列車ではないが、「サンライズ出雲・瀬戸」では、いつでもカメラで車両をバックに写真を撮っている光景を見ることができる。もちろん私自身もカメラを撮影したが、写真を撮りたくなる列車だ。

 定刻に東京駅を発車した。私は祝日の夜の乗車だったが、平日の夜に出発する場合は、ホームで列車を待つ通勤客の姿を見ながら、ベッドで横になる光景は不思議だ。東京駅を発車した後、横浜駅、熱海駅、沼津駅、静岡駅、富士駅などに停車し、岡山方面へ向かっていく富士駅までは横になりながらも景色を楽しみ、その後に就寝し、岡山駅に着く朝7時前の車内アナウンスで目を覚ました。岡山駅に到着すると併結する「サンライズ瀬戸」号と切り離し作業が行われるが、切り離しの様子を見る人がホームに出ていた。

 今回、私は終点の出雲市ではなく、米子駅の次の安来駅で下車した。日本一の庭園と呼ばれる足立美術館の最寄り駅だったことで下車した。朝9時過ぎの到着で約11時間半の乗車時間だったが、個室寝台ということでゆっくりすることができた。

 今回は友人が東京駅でお弁当を差し入れてくれたので、車内で駅弁を食べたが、車内販売はないので(自販機はある)、乗車前に購入しておく必要があるので利用する際に頭に入れておくといいだろう。

 最終的に特急「やくも」で安来駅から出雲市駅まで向かったが、車内で横になって6時間ほど寝られたので、眠気もなく旅ができた。寝台列車の楽しみを改めて知った旅となった。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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