【交通トレンド分析217】東海道新幹線グリーン車のモバイルオーダー 鳥海高太朗


 11月1日から東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」で車内販売に代わる「モバイルオーダー」のサービスが開始された。10月末には最後の車内販売として特に固いアイスクリームが話題となったが、11月1日以降はワゴンによる車内販売が廃止され、グリーン車に限ってスマートフォンで注文することができるモバイルオーダーの仕組みとなった。

 私も早速、静岡からの出張帰りで体験してみた。注文の方法としては、シート前のポケットに入っているラミネートされたリーフレットにあるQRコードを読み取ると、注文の画面に入ることができる。その時点で待ち時間の目安が表示される。私の場合は待ち時間の目安が5分前後という表示となっていた。

 飲み物と食事・スナックの一覧の中から購入したい商品を選ぶことになるが、1回の注文可能数は5品までとなっていた。飲み物の主なメニューとしてはビールや缶チューハイ、さらには水やお茶、アイスコーヒー、ホットコーヒーなどが販売されているが、私も今回初めて知ったのがウイスキーの「山崎12年 50ミリリットル」が販売されていたことで、1470円という金額ではあるが、取り扱っていること自体が驚きだった。炭酸水も販売されているので山崎のハイボールを新幹線車内で楽しむことができるのであった。

 また食事・スナックのメニューとしては、最近注目を集めているアイスクリームをはじめポテトチップス、さらにはお弁当(特製幕之内御膳)なども販売されていた。

 今回、私はバニラのアイスクリームとアイスコーヒーの2品を注文した。スマートフォンでの注文の際には購入したいものを選んだ後、乗車している列車の列車番号(ひかり516号であれば、516と入力)、座席番号、降りる駅を入力して注文を完了させる。特に電話番号やメールアドレスなどの入力は不要となっている。

 注文後、5分前後と書いてあったが、実際は4分ほどで注文した商品をパーサーの方が席まで届けてくれた。ここからは従来の車内販売同様に現金もしくはSuicaなどの交通系ICカードで支払うことになるが、金額もオーダー時に把握できているのでとてもスムーズだった。

 実際に利用した感想としては、思っていた以上に簡単に注文ができ、スマートフォンからメニューを見ながら注文できるのはとても良かった。あえてネット決済せずに届けてもらった時に決済する方式も良かったと思う。今後のスタンダードになりそうで、他の車内販売でもこのスタイルが増えそうだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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