【交通トレンド分析220】元旦は国内線も新幹線も予約しやすい 鳥海高太朗


 2023年も残すところわずかになった。今年はようやく「アフターコロナ」という言葉が使えるようになった1年でもあった。

 私自身も5月以降は「withコロナ」から「アフターコロナ」に言葉を変えて原稿を書くようになった。やはりGW明け直後の5月8日に5類に移行したことによって、マスクを外す人も増え始め、今年は猛暑だったことで夏になってから電車や飛行機でもマスクを着用する人と外す人が半々となり、今ではマスク着用が気にならなくなった。

 今回の年末年始は、5類になってから初めてということで、早い段階から予約も堅調であり、既に国内線、新幹線ともに年末年始は混雑している。特に国内線航空券の値段は下り便のピーク日の12月29日、30日については過去にないくらい高騰しており、筆者も所用で29日に羽田から福岡へ向かう予定だが、早割タイプの航空券で片道3万7千円での購入となった。普段は1万円以下で購入できるLCC(格安航空会社)でも2万円台後半もしくは3万円台となっている。需要予測と予約状況に応じたダイナミックプライスであることから、航空券の相場を見るだけでも年末年始の動きが活発であることが分かる。

 今年の年末年始の航空券が高騰している要因としては、5類移行後の旅行需要の回復に加えて、1年前の年末年始ではコロナ対策で帰省をまだ見合わせていた人が多かったが今年はその心配がなくなったこと、また訪日外国人観光客(インバウンド)がコロナ前の水準を上回ったこと、さらに円安と海外の物価高の影響で日本から海外へ出かけるアウトバウンドがコロナ前の約半分の水準にとどまることでコロナ禍同様に国内旅行にシフトする人も多いことなど複合的な要因があると分析する。

 そんな中、少しでもお得に飛行機や新幹線を利用するには、ピーク日をずらすのがベストであることは言うまでもない。

 しかし年末年始のピーク期間でも意外にお得に移動できる日がある。それが元旦なのだ。下りのピークと上りのピークの谷間となり、元旦だけは双方向ともに大きな混雑はなく、特に国内線の運賃も割安に設定されている。そういったこともあり、元旦の日帰り旅行、もしくは元旦出発で2日の午前中に戻る1泊2日の旅行であれば年末年始の旅行も今から予約できる可能性が高い。

 宿泊についても都市部のビジネスホテルであれば、まだ空いているホテルもあるので、年末年始の国内旅行をこれから計画することも十分に可能となっている。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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