2024年、大きく盛り上がることになりそうなのが福井県。3月16日に北陸新幹線の金沢―敦賀間が開業し、首都圏から福井県へのアクセスが大きく向上する。
3月16日からの新ダイヤも発表され、東京から福井方面への直通列車は速達タイプの「かがやき」が1日9往復、停車駅が多い「はくたか」が1日5往復運行されるほか、JR西日本内(上越妙高駅―敦賀間がJR西日本エリア)では、富山―敦賀間(1日20往復)、金沢―敦賀間(1日8往復)を運転する「つるぎ」も運行する。
金沢から延伸する区間では、新たに小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の6駅(石川県内2駅、福井県内4駅)に新幹線が停車する。東京駅から最速で、加賀温泉駅まで2時間43分、福井駅まで2時間52分、敦賀駅まで3時間08分となる。
温泉地としては、加賀温泉駅からは山代温泉・山中温泉・片山津温泉、芦原温泉駅からは芦原温泉といった形で温泉地に首都圏からダイレクトでアクセスできるようになり、これまで以上に多くの観光客が訪れることになりそうだ。また福井では福井県立恐竜博物館、グルメではソースカツ丼が有名でおいしいが、福井県は越前そばも絶品でぜひ食してほしい。
敦賀駅からは京都・大阪方面へは「サンダーバード」、米原・名古屋方面へは「しらさぎ」に接続している。そこで新しい観光ルートになりそうなのが、往路は東海道新幹線で京都や大阪へ向かって観光したのちに、帰りは大阪駅や京都駅からサンダーバードに乗って敦賀駅で北陸新幹線に乗り換え、福井県や石川県を観光して、北陸新幹線で東京に戻るルートだ。特に京都、福井、金沢と古都を1回の旅行で効率的に巡ることができ、北陸新幹線の敦賀延伸で移動時間を短縮できることが大きい。
そしてもう一つ、東海道新幹線が大雨や台風、災害、何らかのトラブルで運転見合わせになった際の東京―京都・大阪間の代替ルートにもなる。北陸新幹線が通常通りに動いていることが前提となるが、東京へ向かう場合において最速で大阪から5時間程度、京都から4時間半程度(乗継列車にもよるが)で東京駅に到着できる。「のぞみ」利用に比べて2倍の時間はかかるが、それでも代替ルートがあることでリスク分散の意味でも大きな役割を果たす。
敦賀―新大阪間のルートや開業時期は未定であるが、今回の北陸新幹線の敦賀延伸で旅がもっと楽しくなることは間違いなさそうだ。3月16日が今から楽しみである。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)