【交通トレンド分析226】東海道新幹線アプリの遅延情報は神レベル 鳥海高太朗


 日本の新幹線は、世界の鉄道の中でも遅れないことで有名ではあるが、それでも遅延してしまうこともある。天候や車両故障などで遅れて運行している際に役立つのが鉄道会社のアプリである。私自身は、東海道新幹線と東北新幹線の利用が多いが、東海道新幹線では「JR東海」、東北新幹線では「JR東日本」のアプリやホームページなどで最新の運行状況を確認することができる。

 運転見合わせの情報も確認できるが、最近すごいと思うのが、列車の走行位置と遅延している場合においての遅延分数が確認できるのをはじめ、遅延を想定して発車時間、到着時間の予測も表示されるのだ。

 特に自分が乗車しているもしくは乗車予定の新幹線の前にどのくらいの新幹線がたまっているのかなども確認できる。前にそれほどの新幹線がいなければ、ある程度の遅れを取り戻すこともあるからだ。特に乗車前においては、どのくらい遅れているかの情報を元にして、遅延している際には駅へ向かう時間を調整することもでき、時間を無駄にしないで済むこともある。

 そのような状況のなかで、一番すごいと思っているアプリ、機能がJR東海の「EXアプリ」である。EXアプリで予約できる東海道・山陽新幹線「エクスプレス予約」では発車4分前まで予約が可能であるが、遅延時は遅延を予測した時刻が表示され、予測した時刻の少し前までEXアプリで予約、変更が可能となっている。表記自体も分かりやすく、私自身も重宝している。

 特にイレギュラー時には発車の順番も変わることも多く、先発列車に乗りたい時などはネット予約で対応できないケースもあったが、発車予想時刻を確認した上で予約できるのは、時間優先の利用者にとっては非常に便利だ。

 またEX予約で過去に楽だと思ったのが、新幹線が数時間運転見合わせとなり、当初の予定より2時間以上遅延してしまったことがあったが、JRの新幹線、特急のルールでは2時間以上遅れると特急券が払い戻しされるルールがあるが、数日後にこちら側から申告することなく、自動で払い戻し手続きをしてもらえるなど手間も少なかった。イレギュラー時にこそITの本領を発揮することになる。飛行機も同様であるが、イレギュラー時の対応がネットでできるようになったことは評価できる。

 ただ紙のチケットを利用している人も多く、最近では全国的に「みどりの窓口」が減ってきたことでイレギュラー時に長蛇の列になることも多い。まだまだ課題はあるが一歩ずつ前進していると思う。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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