浜松町駅と羽田空港を結ぶ「東京モノレール」が3月16日にダイヤ改正を実施する。コロナ禍で利用者が減っていた時期が続いていたが、インバウンドの急回復もあり、利用者が戻ってきているなか、利用者にとってありがたいのが浜松町駅発、羽田空港第2ターミナル駅発共に終電の時刻を繰り下げるという発表であった。
羽田空港第2ターミナル駅発では、現在よりも20分遅い0時02分発(羽田空港第1ターミナル駅0時04分発、羽田空港第3ターミナル駅0時08分発)の区間快速となり、浜松町駅に0時24分に到着する。この時間であれば、山手線で外回りは大崎駅まで、内回りは東京駅、上野駅を経由して池袋駅まで到達することが可能である。
また、浜松町駅まで出ることができれば、タクシーを利用して移動する場合も羽田空港から利用するよりも割安で済む。飛行機の遅延便が多く発生した時には羽田空港ではタクシーの長い行列ができることもあるが、浜松町駅まで移動できるだけでもタクシーも確保しやすくなるメリットがある。
国際線の到着についても深夜早朝発着枠を活用しての到着便が22時台、23時台にも多くあり、ドバイからのエミレーツ航空は22時30分着、クアラルンプールからのエアアジアXは22時40分着などを利用した場合、入国審査や預け手荷物の受け取りに時間がかかっても十分に間に合うだろう。
また、国内線で飛行機が遅延して23時台後半の到着になった時など、現在は羽田空港第2ターミナルを23時42分発の東京モノレールに間に合わないと、京浜急行23時48分発の品川行きの急行もしくは0時10分発の京急蒲田行きの各駅などがあるが、0時台に都心まで入れるモノレールが運転されることで、飛行機(特に国内線)が遅延しそうな時でも最終列車が遅いことでの安心感にもつながることになる。
また今回、浜松町駅発も最終列車が23時45分発から23時59分発と14分繰り下がる。こちらの終電繰り下げは主に羽田空港を深夜出発する便の利用者にとってありがたく、例えばピーチのソウル行きは深夜1時55分発など、LCCを中心に深夜2時台の出発便利用時などにも重宝する。
1月2日に発生したJAL機と海上保安庁機の衝突の影響で滑走路が1本閉鎖された影響で遅延便が続出した際には、東京モノレールと京浜急行が終電後に臨時列車を運転するなどの柔軟な対応は利用者から大きく評価されたが、通常時の終電が遅くなることで利便性が拡大することになりそうだ。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)