【交通トレンド分析229】「北陸応援フリーきっぷ」はかなりお得 鳥海高太朗


 元旦に発生した能登地震からもうすぐ2カ月となるが、金沢市内、加賀温泉郷などの石川県、さらには富山県、福井県など地震の影響が少なかった地域も観光客の減少が続いている。

 そのような状況の中で、JR東日本は北陸新幹線を使った割引切符「北陸応援フリーきっぷ」の販売を開始した。東京都区内発着のみとなるが、往路は北陸新幹線「かがやき」「はくたか」の普通車指定席、復路は「はくたか」の普通車自由席の利用となる。単純に往路指定席、復路自由席で東京―金沢を往復すると2万8030円かかることから、単純往復だけでも8千円近く安く、さらに4日間エリア内を乗り放題で利用できることを考えると非常に魅力的なチケットといえる。

 発売は3月11日(月)までとなっており、利用開始日の前日までの購入が必要となる。JR東日本の首都圏エリアの主な駅の指定席券売機で購入が可能で、週末も含めて利用制限はなく4日間有効となっている。

 「北陸フリーエリア」内は北陸新幹線・特急の自由席も含めて乗り放題となっている。フリーエリアには富山県の黒部宇奈月温泉駅からが対象となり、石川県内の全路線(のと鉄道は含まず)、福井県内は3月16日に北陸新幹線が延伸する福井や敦賀、さらには小浜までがフリーエリアに入る。フリーエリアだけで200キロを超える広大な範囲になっているのも特徴である。

 日帰りで使っても1泊2日、2泊3日、3泊4日で使ってもOKとなっているのでスケジュールを柔軟に組むことが可能で、往路が指定席、復路は自由席というルールであることから、どちらにしても帰りは自由席になるので、時間に余裕があればその時の気分で利用できる気軽さがある。

 帰りが自由席であることに座れるかの不安を持っている人もいるが、「はくたか」の4両ある自由席は基本的にフリー区間内からの乗車であれば、ほぼ座れる。注意が必要なのは往路では速達タイプの停車駅が少ない「かがやき」が使えるが、復路は「かがやき」が使えない点だ。予定を組む際には気をつけよう。

 こういった乗り放題型の割引きっぷが設定されることで、旅行に出かける一つのきっかけになり、現地でホテルや食事、お土産などでお金を落とすことで北陸を応援することができる。また3月からは旅行代金の最大50%を国が補助する「北陸応援割」も始まり、さらには3月16日には北陸新幹線も敦賀まで延伸もある中、これから北陸への旅行者が増えることになりそうだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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