いよいよ夏休みに入ったが、国内線利用者が去年よりも増えている。7月19日にANAの井上慎一社長は、社長会見のなかで今年の国内線について、7、8月の2カ月間合計で昨年に比べて1・1倍の予約となっているとのことで、昨年よりも増えている状況になっているとのことだ。夏休みの期間は羽田空港をはじめ、多くの空港で普段に比べてにぎわっており、ビジネス客だけでなく、特に旅行で飛行機を利用する人が多いことにより、保安検査場に行列ができること以上に、手荷物を預けるのに時間を要する状況が毎年起こっている。
ビジネス出張者は日数も短いことで荷物が少ないが、旅行で何泊かすること、また子供を連れたファミリーでの利用も増えることで、一つの便で預かる手荷物の数も、特に沖縄や九州、北海道への路線で多くなっている。ANAやJALでは、羽田空港や新千歳空港などの主要空港では手荷物の自動預け機も設置されているが、それでも長い行列になることがある。普段、行列ができることが珍しい、マイレージプログラムの上級会員や上級クラス(ANAのプレミアムクラスやJALのファーストクラス)利用者が利用できる優先カウンターでも長い列になっていることもあり、優先カウンターが使える人も少し早めの到着が望ましい。
多くの航空会社ではチェックインの締め切りが便出発の20分前となっているが、預ける手荷物がある場合には、1時間前には到着するように向かうことをおすすめしたい。また保安検査場の通過についても、いつもより早めに通過して、ゲート前でゆっくり時間を過ごすのがいいだろう。
さらに羽田空港へ向かう場合のアクセスにも注意すべき点がある。東京モノレールや京浜急行利用などであれば問題ないが、車で羽田空港へ向かう場合においては、夏休み期間中は平日でも羽田空港の駐車場が満車になることが多く、特に週末やお盆などのピーク日は朝7時前に満車表示が出ることもある。リアルタイムでの空車状況がインターネットで確認できるので、自宅を出る前にチェックした上での利用を心掛けたいが、いったん満車になると、入庫までにかなりの時間を要し、飛行機に間に合わないケースも続出しており、公共交通機関への切り替えも視野に入れておくことをおすすめする。
夏休みに入り、平日でも午前中に満車になることも珍しくない。全てにおいて、夏休み期間中に飛行機を利用する人はいつも以上に時間に余裕をもって予定を組んでいただきたいと思う次第だ。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)