【交通トレンド分析262】「とき」の臨時列車など新幹線の全車指定席に注意 鳥海高太朗


 少しでも新幹線をお得に利用したい時や事前に列車を決めずに乗車のタイミング次第ですぐに乗りたいときに重宝するのが自由席である。

 列車によっては指定席よりも自由席の方が空いていることもあり、私自身も混んでいない時で始発駅から乗車するときなど好んで自由席を選ぶこともあるほどだ。

 例えば、東海道新幹線に乗車する際もゴールデンウイーク(GW)やお盆期間、年末年始などの繁忙期を除けば週末や3連休でも東京駅から「のぞみ」に乗る際にもほぼ座れる。仮に座れないようであれば、新幹線は本数も多いだけに、1~2本待てば確実に座ることが可能だ。

 東海道新幹線ではGW・お盆・年末年始の期間中に「のぞみ」号は全車指定席となる。CM、駅のポスター、駅でのアナウンス、さらにはニュース番組などでも取り上げられ、多くの人が認識している。

 今回の年末年始でも12月27日~1月5日まで「のぞみ」の全列車が全車指定席となる(ひかりとこだまは自由席の設定あり)。全車指定席の期間は指定席を利用するが、自由席の設定がある「ひかり」の自由席が特に混み合うので、「ひかり」利用時も指定席利用が望ましい。

 現在、新幹線で年間を通じて全車指定席なのが「はやぶさ」「はやて」「こまち」「つばさ」「かがやき」となっている。これらの列車に乗る際には私も頭の中に全車指定席であることを把握できているが、過去に乗車直前に全車指定席であることを知ったのが上越新幹線「とき」の臨時列車である。

 定期列車については、自由席が設定されており、平日など混んでいなければ自由席を利用することもあるほか、東京駅から熊谷駅やや高崎駅などの近場であれば自由席を使うことのほうが多い。

 半年以上前であるが、高崎駅から東京駅へ向かおうと乗換案内などのアプリで検索した際に「とき」があったので、いざ乗車しようと思って自由席のチケットを購入していたところ、改札口を通過してから「全車指定席」という表示が出ていたことに気づいた。結果的にはその新幹線には乗れなかった。

 上越新幹線には全車指定席の新幹線はないという認識でいたが、後で調べたところ「とき」の臨時列車は基本的に全車指定席で運転されているということを知った。

 見分け方としては「とき51号」など列車番号が2桁の新幹線が臨時列車で全車指定席となる。

 ちなみに「とき301号」のように3桁の列車番号(定期列車)には自由席がある。列車名を変えてくれるのがベストであるが、現状では上越新幹線の自由席を利用する際には注意が必要である。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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