
今、追加料金なしで利用できるとのことで話題となっている中央快速線の「グリーン車」。いよいよ3月15日(土)のダイヤ改正によって本格導入となり、昨年10月13日からお試し期間として追加料金なしで利用できていたが、3月15日以降は普通列車グリーン券が必要となる。
昨年10月から無料だった主な理由としては、従来の10両編成からグリーン車2両を加えた12両編成に増強するにあたり、一気に増やせないことから、約半年間かけて中央快速線の東京―大月間、青梅線の東京駅方面からの中央快速線に直通する列車の全てをグリーン車2両連結された12両編成にし、3月15日からは全列車でグリーン車に乗車できるようにするための準備期間であった。
昨年10月13日に初めて導入されて以来、グリーン券なしでグリーン車に乗れることから鉄道ファンだけでなく、日常から中央線を利用する人を中心に12両編成目当てに乗車する光景が見られた。筆者の肌感覚では、年明けからは12両編成が増えてきて、私も先日、立川駅から東京駅まで利用することができた。
すでに東海道線や宇都宮線、高崎線、総武快速線、横須賀線、常磐線などで導入されていることから目新しさは少ないが、中央線では両開きの乗降口は他の路線に比べて広く感じるほか、全席にコンセントが完備しているほか、JR―EAST FREE Wi―Fiの利用も可能だ。そしてトイレが付いていることで、乗車時間が長い時にはありがたいだろう。
3月15日以降に必要な普通列車グリーン券は、乗車前にモバイルSuicaでの購入やカードタイプのICカード乗車券で事前にグリーン券情報を記録して購入する場合は、50キロまでで750円、100キロまでで1千円となる(紙のきっぷのグリーン券は50キロまで1010円、100キロまで1260円)。東京駅からであれば八王子までは50キロ以内となるので、750円での利用が中心になりそうだ。
さらにお得に利用できるのが、JR東日本のポイントサービス「JREポイント」でためたポイントを利用する「(JRE POINT用)Suica グリーン券」の利用だ。距離に関係なく一律600ポイントで利用可能であり、50キロ以内でもお得だが、100キロ以内ならさらにお得になる。また不定期ではあるが、ポイント数が下がるキャンペーンを実施することがあり、さらに少ないポイント数で利用できることもあるので、その際にはぜひ活用するといいだろう。
混雑することが多い中央線でどうしても座りたい時や仕事をしたい時、そして時々は自分へのご褒美にグリーン車を活用してみてはいかがだろうか。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)
(観光経済新聞2025年2月24日号掲載コラム)