【交通トレンド分析61】国内線各社、紙コップでのドリンクを再開 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 国内線を運航する各航空会社では、新型コロナウイルスの感染拡大と共に機内ドリンクサービスを変更し、一時ドリンクの提供を取りやめた時期もあったが、その後、ANAやJALでは紙パックのお茶を配るなど、できる限りお客さまと客室乗務員が接しないような方法でサービスを行っていた。

 だが、7月に入りドリンクの種類は限定されるが、多くの航空会社で紙コップでの提供を再開した。ANAは3月後半から6月までは紙パックのお茶のみの提供(子どもには紙パックのアップルジュース)であったが、7月1日より冷たいお茶やアップルジュースを紙コップで(便によってはお茶のみ)、便によってはミネラルウォーター(小さいペットボトル)で配られるようになった。

 JALではお茶の紙パックは7月以降も継続しているが、その他にアップルジュースをカップ、またコカ・コーラを缶で提供されるようになった。ドリンクカートでのサービスも復活している。またソラシドエアでも冷たいお茶とアップルジュースに限り、紙コップで提供している。

 上記の3社は冷たいドリンクのみの提供だが、ホットドリンクの提供をしているのはスターフライヤーとAIRDOの2社だ。スターフライヤーは、国内航空会社で唯一、通常のドリンクサービスを継続して提供しており、人気のタリーズコーヒーやスープを飲むことができるほか、冷たいドリンクも通常通りになっている。またAIRDOでは、一時ドリンクサービスを中止していたが、7月10日からドリンクサービスを再開し、冷たいお茶、アップルジュースに加えて、温かいオニオンスープが提供されていた(コーヒーの提供はなし)。紙コップで提供している航空会社は、基本的に提供時にふたを付けてお客さまに手渡している。

 なお、スカイマークやLCC(格安航空会社)のピーチやジェットスター・ジャパンでは機内ドリンクは有料販売になっているが現在は販売を中止している。

 このように航空会社によってコロナ禍におけるドリンクサービスに差が出ている。私もこの6月以降、ANA、JAL、スターフライヤー、AIRDOの4社を利用しているが、夏休みを前にドリンクサービスが復活したことで前向きな気持ちにもなるが、コロナ対策をしっかりすることを条件にANAやJALでもコーヒーなどのホットドリンクを再開してほしいという声も多い。国内線の機内でドリンクが提供されるのを楽しみにしている人も多く、コロナが収束に向かい、通常通りの体制に戻ることを期待したい。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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