【交通トレンド分析71】「地域共通クーポン」は空港と駅利用がベスト 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 10月からGo Toトラベルの地域共通クーポンの配布が始まった。7月22日から東京都発着除外でスタートした時点では旅行代金の35%割引(上限1人1泊4万円分まで)のみであったが10月1日以降は、東京発着除外が解除されるとともに15%分の地域共通クーポンが配布された。

 今回、予約方法によって紙クーポンと電子クーポンに分かれているが、宿泊予約サイト大手で見ると「楽天トラベル」「じゃらん」は紙クーポン、「一休.com」では電子クーポンになっている。旅行の際には事前にクーポンの配布方法を確認しておくことをお勧めする。

 私は10月1日の初日には東京・お台場のホテルに宿泊して紙クーポン、翌日となる2日は都内のビジネスホテルに宿泊して電子クーポンの両方を使ってみた。Go Toトラベル事務局のホームページに利用できるマップが掲載されているが、スタート時点では地域共通クーポンが利用できる店が少なかった。観光庁は100万店の加盟を目指しているが、10月1日時点で約10万店、2日時点で約13万店の登録に留まっている。ただ加盟店の申請は増えており、近いうちに30万店は超えてくるだろう。

 この地域共通クーポンは、店舗ごとに「紙クーポンのみ」もしくは「紙クーポンと電子クーポンの両方が使える」の対応に分かれる。加盟店の傾向としては、宿泊施設や観光地のお土産店などでは加盟している店舗を多く確認できる。コンビニエンスストア、スーパー、衣料品店、家電量販店などでも利用できるが、飲食店の加盟が遅れており、宿泊施設以外で地域共通クーポンを使って食事をする場所を探すのに私も苦労した。「地産地消」で地域の飲食店で食事をしたいと思っているが、スタート当初は希望通りには使えていない。加えて、登録店舗の約半分近くは紙クーポンのみ利用可能で、電子クーポン利用時はさらに店探しに苦労した。

 このような状況の中で確実に紙クーポンと電子クーポンが利用できているのが羽田空港や東京駅などの空港やターミナル駅だ。多くの旅行者が空港や鉄道を利用することになるが、早い段階から地域共通クーポンの利用が見込まれていたことで準備を進めていたこともあり10月1日から使えている。

 羽田空港や東京駅だけでなく、地方空港や主要駅でも売店などを中心に利用できるお店も多いことから、使う場所がない時には空港や主要駅の売店で使えることを頭の中に入れておくと安心だが、事前に使えるお店を確認しておくことは必須だ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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