海外旅行においては入国制限の影響により、ほとんどの国へ観光目的においての渡航が難しい状況になっている。その中、11月6日(金)よりハワイへの渡航について、日本出発72時間以内にハワイ州が日本の厚生労働省が認可した新型コロナウイルス感染症の拡散増幅検査、いわゆるPCR検査ができる日本国内21の病院(東京都内では12の病院)で陰性であり、陰性証明書を発行してもらうことで、ホノルル空港到着後に14日間の自己隔離なしにビーチで遊んだり、ショッピングや食事を楽しんだりすることが可能になる日本向けの事前検査プログラムがスタートした。
陰性証明書があれば、コロナ前同様に到着後すぐに自由に動くことが可能となった。ただ日本帰国後は14日間の待機が従来通りに求められる。
11月6日(金)の夜、私は羽田空港へ向かった。日本向けの事前検査プログラム適用初日の最初の便となるANA羽田発ホノルル行きの出発の様子をゲート前で取材してきた。今回64名の搭乗者だったが、10月5日に成田から出発したANAのホノルル行きは27名の搭乗者であったことから考えると倍以上の利用者となったが、11月6日の羽田空港では観光客の姿はなく、現地在住、留学、家族や交際相手が現地に在住している人が中心で日本人と外国人の比率は半々だった。まだANA、JAL、ハワイアン航空共に毎日運航ではなく、臨時便として月に数回程度の運航にとどまっていることも影響しているだろう。
しかしながら12月以降、各航空会社ではホノルル線の運航を増やす計画になっており、特にハワイアン航空では12月だけで、成田―ホノルル線を13往復、羽田―ホノルル線を4往復(ホノルル発は5便)、関西―ホノルル線を5往復(ホノルル発は6便)運航する。ANAやJALも12月から年末年始にかけて便を増やす可能性も十分に考えられる。便が増えれば年末年始をハワイで過ごそうと思う観光客も出てくることだろう。
特にテレワークで仕事ができる人は、年末年始をハワイで過ごして帰国した後も日本の自宅でテレワークすることも可能だ。現状、帰国後14日間の待機が必要となるが、ハワイ出国前に日本出発前同様にハワイの病院で出発72時間前の陰性証明があれば日本到着後14日間の待機免除があればという声も聞かれる。ハワイだけ例外は難しい状況であるが、少なくともハワイ到着後の自己隔離が免除されるだけでもうれしいニュースだ。年末年始に日本人がどの程度、ハワイへ出かけるのかにも注目したい。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)