【交通トレンド分析79】感染拡大で旅行取りやめは2週間後以降? 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 12月5日土曜日の朝の羽田空港は明らかに最近の週末に比べると人が少なかった。Go Toトラベルにおいては、11月24日に札幌市、大阪市を目的地とする旅行において12月15日火曜日まで除外され、新規予約の停止とキャンセル料無料での対応、既存予約についても12月2~15日出発分までは適用されないことが発表され、さらに11月27日には札幌市、大阪市に在住者が12月15日までのGo Toトラベルで旅行をする場合にキャンセル料なしで旅行取りやめが可能となった(12月7日までにキャンセルした場合に限る)。そして12月3日の午後には、Go Toトラベルの東京都発着における65歳以上が含まれる旅行、基礎疾患がある人の旅行において、12月17日出発分までにおける自粛要請およびキャンセル料なしでの旅行取りやめが可能になることが発表された。

 具体的に東京都の感染者が急拡大したのは11月18日水曜日の午後だった。493人の感染者が発表されたことで一部に旅行自粛の動きが見られた。北海道方面はすでに11月上旬で札幌市を中心とした感染者拡大で11月の3連休の旅行を取りやめる動きが見られたが、その他のエリアへの旅行については、感染拡大の数字が直前であったことで直前キャンセルは限定的であり、11月21日土曜日の3連休初日には多くの旅行者が羽田空港や東京駅などで見られた。やはり、キャンセル料が直前で高額になってしまうことで予定通りに旅行に出かけた人が多く、ANAに取材をすると9月の4連休以上の利用者があったそうだ。翌週の28日土曜日についても利用者は多かったが、東京都の感染が拡大してから約2週間半後の週末の12月5日土曜日は羽田空港で大きな変化が見られた。

 12月5日の朝、羽田空港の第1・第2ターミナルは共に保安検査場の行列は若干で、何よりも9月の4連休中から続いた週末の駐車場満車がなかったのだ。私は5日の12時45分発の福岡行きに乗る予定で朝8時前に駐車場のリアルタイムの混雑状況を確認したところ空車があり、8時半ごろに取材も含めて羽田へ向かったが問題なく駐車ができ、いったん自宅に戻ったあとに再度羽田へ正午ごろに向かった際も空車表示で駐車できた。札幌市の感染者拡大、そして東京都内の感染者拡大共に、その2週間後くらいから旅行者が減っている傾向にある。感染者が大爆発しない限りは感染者が増加傾向になっても、直近の旅行には出かけ、2週間後の旅行においては慎重な判断をしている可能性が高く、今後もその傾向が続きそうだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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