スカイマークは3月28日から6月30日までの期間、羽田―神戸線を1往復増便し、1日8往復体制となることが明らかになった。
注目なのが羽田発、神戸発共に新たに午後9時台の便が設定されることにより、現地での滞在時間が長くなることになった。特に神戸空港から羽田空港へ戻る便は、午後9時45分発(SKY118便)に設定され(羽田着は午後11時)、今までの伊丹発羽田行きの最終便午後8時20分発よりも1時間以上出発が遅くなる。神戸空港までの移動を考えても大阪市内での滞在時間は長くなり、利便性が向上することになる。ちなみに羽田発神戸行きの最終便(SKY119便)は羽田午後9時15分発(神戸着は午後10時半)となっている。神戸空港の運用時間が従来の午後10時までから1時間延長されて午後11時まで離着陸が可能になったことで実現した。
大阪市内で会食などがある際などに、飛行機利用の場合は午後7時過ぎには大阪市内を出ないと最終便には間に合わない。夕食を食べてから東京へ当日中に戻る方法としては、新大阪発午後9時24分発「のぞみ64号」を利用するしかなかった。この列車であれば午後8時半過ぎまで大阪市内中心部の梅田や難波などで過ごすことが可能であり、夜遅い時間帯においては新幹線の方が圧倒的に利便性は高い。ただ飛行機利用者の中には首都圏在住者は羽田空港、兵庫県や大阪府在住者などは神戸空港に自分の車を駐車して利用するケースもあり、そういった場合には最終便が遅いとありがたいという利用者も一定数いる。神戸発午後9時45分の羽田行きの場合、大阪駅を午後8時15分発のJR神戸線新快速列車で三ノ宮駅乗り換えのポートライナーで最終便に余裕を持って間に合うようになる。最終便を利用することで午後11時に羽田に到着し、そのまま自家用車、リムジンバス、京浜急行、東京モノレールなどで自宅に戻ることが可能となる。
5年以上前だったと記憶しているが、昔は関西空港午後10時10分発のJAL羽田行きがあったことで21時になんば駅から南海電車に乗れば間に合ったが、4月の運航ダイヤで見るとANAの午後9時10分発が最終便ということで、なんば駅を午後8時には乗らないと間に合わないことになる。残念ながら現在は飲食店に対する時短要請なども当面は続くことになり、会食自体がかなり減ってきている状況で夜遅い便を利用する機会は、当面の間は以前に比べると少ない可能性が高い。将来的には、新型コロナウイルスが収束することで利用価値は大きく上がることになるだろう。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)