体験が未来学力を培う
南信州では、青少年たちを地域に暮らす人々の生産現場やあるがままの生活の中で受け入れています。それは、違う環境、違う知性、違う感性と出会い、大人から受け入れられる体験もさることながら、圧倒されるような感動体験が必要であると考えているからです。
2021年以降、本格実施される新学習指導要領は、「主体的・対話的で深い学び」として課題発見・問題解決型学習の手法による生徒の能動的な学びで、深い知識と応用力を身に付けることを要求しています。
今、IQや学力テストで計測される「認知能力」ではなく、「非認知能力」が職業人生においても必要とされています。非認知能力とは、世の中の「正解のない問い」に答えを出せる「問題解決能力」や「創造性」であり、コミュニケーション力を背景とした未来学力といってもよいものです。この予測不可能な時代を生き抜く青少年には、こうした力が不可欠であると考えます。学歴や偏差値でその能力の有無を予測できないのです。教育界の要請に応えるために、南信州地域は全国に先駆けて体験教育旅行の誘致を行ってきました。現在これらが外国人からも高く評価され、「クールジャパンアワード2017」を受賞しています。
民泊における受け入れ農家は、果樹、稲作、野菜などの複合経営が大半です。果樹栽培では桃、梨、リンゴ、ブドウ、干し柿など多種を、野菜は葉物、根菜、夏野菜などの少量多品目の生産を行い、中山間地の特性が現れています。この厳しい環境下で農業を営む人々との体験や交流を通じて、その人生に触れ、農業や暮らし、そして地域の課題を深く知り、さらに体験を共有することで、自らの生き方をも考察するきっかけとなっています。内発的な自己変革(より良く生きようとする意志)の第一歩を踏み出しているのです。南信州は常にそうした変化を起こす受け入れ地域になりたいと考えています。
体験プログラムの多様性が特色
受け入れエリアは15市町村に及びますが、体験や交流を通じて多様な地域特性を感じることができます。各自治体の協力があり、行政担当者やコーディネーターもいるため、安全・安心してご利用いただけます。
加えて、首都圏や関西圏からバスで3~4時間前後、名古屋からは1時間半程度という立地のため、活動時間の確保や旅行費用面、体調管理面やリスクマネジメント面においても有利です。
体験プログラムは188種類を数え、天竜川でのラフティングは国内最大級の一度に300人の実施が可能であり、フォレストアドベンチャー、乗馬、渓流釣り、マウンテンバイクなどの本格的なアウトドアスポーツ体験、プロの職人に教わる陶芸や草木染めといった工芸体験、地域の食文化に触れるそば打ちや五平餅作りなど、数多くのほんもの体験を行うことが可能です。
また、「満蒙開拓平和記念館」での語り部講話と展示見学による平和学習、「大平宿」では旧民家でいろりとかまどを使った昔ながらの生活を体験でき、さまざまな形態での教育旅行の受け入れが可能です。
南信州での人との交流や体験活動は、将来を担う若者たちが社会で活躍するためのしなやかな心と力を育みます。
民泊家庭でのリンゴ収穫体験
南信州観光公社 – 長野県南部のグリーンツーリズム・エコツーリズム・体験プログラムガイド