【体験型観光が日本を変える 181】コロナ後に生まれる新しい価値 体験体験教育企画社長 藤澤安良


 9月に入って安倍総理退陣から総裁選に突入した。野党側も再編成が行われようとしている。

 新型コロナウイルスも毎日数百人から千人近くの感染者がある。かつて経験がないと言われている大型で強い勢力を持つ台風10号が9号に続き相次いで沖縄九州地方に甚大な被害をもたらした。

 勢力が発達する要因となる太平洋の海水温が30度を超える海域が、日本沿岸まで迫り、その範囲が極めて大きいことによるという。これもまた、地球温暖化の影響であろうと推論できる。

 9月に新潟県で気温40度を観測した。ゲリラ豪雨、線状降水帯、豪雨災害、そして巨大勢力の台風などを異常気象と言うが、それがあまりにも続くともはや、通常気象である。豪雨災害でも70年生きていてこんなところまで来るとは思わなかった。想定外の連続であり、過去の経験値が邪魔になることもある。

 いつまでもそれを言い訳にしてはいられない。今後は、新型コロナを含む想定外の出来事を想定して対策ができる政権が求められている。

 ダムの事前放流が接近の数日前から行われた。やっと苦い経験が生かされたことになる。国民側も「命を守る行動」という言葉を今回の気象庁の会見で何度も耳にしたはずである。避難や準備が無駄で徒労に終わること、それは命が守られてよかったことでもある。早くから命を守る行動をすることを国民の意識に根差すことが必要であり、豪雨、洪水、地震、土砂崩れ、津波、高潮、防風等あらゆる原因に対応する防災教育が必要になる。

 また、互いに命を守るべきはずの親子兄弟関係などの家族間での殺人が後を絶たない。男女間でのトラブルでの殺人事件も少なくない。全ては、人間はそう簡単に自分の思う通りにならないことを知るべきである。テレビドラマや映画の世界ではあるが、昔から「女、子どもには手を出すな」などというせりふを何回も聞いたことがある。家族間は言うに及ばず、全て殺人は否定されるべきであるが、男が女性や子どもを殺してはいけない。

 相手にされず振り向いてくれないのも、別れ話を切り出されるのも、言うことを聞かないのも、全ては己の不徳の致すところと心得るべきである。男の魅力はお金と容姿だけではない。コミュニケーション、思いやり、やさしさ、包容力=キャパシティ、判断力、生きる姿勢などの「人間力」こそが、男女を問わず人としての魅力である。

 学校で学業は教えているが、人間力の必要性を教えていても、人間力を持つ人間にはしていない。人の生き方は、パソコンでもスマホやテレビでもなく、引きこもっても得られない。生身の人間からしか本質は学べない。

 つまりは、多くの人と会い、交流しコミュニケーションし、体験してこそ得られるものである。

 命の教育は「旅に出ること」「人間力と心を持つ人に出会い話すこと」。それらの発見の入り口は「体験交流」に他ならない。コロナ後に新しい価値観が生まれる。それはSDGsにもつながる。人間力=体験交流となる。

 
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