新型コロナウイルスの国内の感染者数は最多を更新し続けている。とりわけ人口密度が多い首都圏と札幌と大阪が多い。Go Toトラベルやイートの見直しも検討される。
私も全国各地へうかがっている立場から、都内での夜間の飲食は3月から一度も行っていない。過日、都内の居酒屋の前を通りかかったが、小さい室内はとても密で、対策もそれほど取られておらず、飲食は口から盛り上がっている様子がうかがえたが、同時に危険も感じた。
お酒が入り、鬱憤(うっぷん)やストレスがたまっていたりすると、会話のボルテージも上がりがちである。こういう機会が危ないのであろうと推察される。
11月後半の3連休は、おとなしくしているようにと自粛のメッセージが発せられたが、キャンセル料がかかる2日前では遅すぎる。感染者が比較的少ない観光都市・京都は、紅葉の最盛期でありながら、連休前は例年に比べてかなり少なかったが、さすがに3連休はせきを切ったように増え、ホテルや飲食店はアルコール消毒や検温は実施されているが、紅葉の主なスポットである社寺や市バスでは、呼び掛けはあるがソーシャルディスタンスが困難な状況である。
とりわけ、3割以上を占めていた外国人観光客がほとんど来ていないことからも、観光関連者はコロナ禍ではGo Toのおかげであろうことは否定できないという。Go Toの今後とコロナ禍の対策を占う上においても、2週間後の京都や観光目的地というよりも、京都や混雑した観光地へ行った人の感染者数がどう増えるのかが、注目されることになる。
そんな中、児童虐待件数が19万3780件となり、残念ながら29年連続の増加となった。親が子どもを守らずして誰が守るのか、そして、子どもが最後に頼るのは親であるはずである。それが親が子を虐待するなどとんでもないことである。
人間のあるべき姿が犯され、理性が失われる状況は少子化に一層の拍車をかけることになる。
人としての生き方も、親としてのあり方を学ぶにも教科書やマニュアルはない。なぜならば、誰一人として同じ人がいないことから、想定問題集にも合わないケースが起こり続けるからである。人として、親として人間力を鍛え、心豊かになることである。
それは、人に会うこと話すこと、仕事をすること、人のためになること、そして人を認め、人を愛することである。それらを、得るには自らが多くの体験をすることに他ならない。誰とも会わず引きこもっていても、かなわぬことである。旅に出ることや、まさに体験交流型の観光は、人間力の成長に欠かせない栄養素を得る機会となる。
人間の英知を結集しコロナに打ち勝ち、新しい人間力回復の旅に向かう時が来ている。
私ごとですが、1999年3月から書き始めた「体験型観光のすすめ」「体験型観光の現場から」と、今回の「体験型観光は日本を変える」を合わせて21年目を迎え、欠稿することなく連載千回を迎えました。多くの皆さまのご愛読に感謝申し上げます。