【体験型観光が日本を変える355】在るべき生き方を学ぶ大切さ 藤澤安良


 遅い梅雨はいつ来るのか。レジャーが「安近短」になる中、遊泳禁止の海や川で溺れたり、魚介類の捕獲が禁止場所での捕獲採集や、キャンプやバーベキュー禁止の場所での実施、ごみを放置するような、モラルやルールを守らない人が後を絶たないとのテレビ報道があった。

 14日、国会で外国人材の受け入れ制度「育成就労」の創設を柱とする入管難民法が可決された。その外国人就労者や訪日外国人観光客もルールが守れていない人が多い。

 世界各国から多くの旅行者が訪れるが、案内看板など英語、中国語、韓国語では到底間に合っていない。日本特有の漁業権や入漁料は日本人にも理解しがたい。当然知っていながら、「気がつかなかった」「読めなかった」などとしらを切るやからも存在する。国内外のルールやモラル形成をどう進めるか大きな課題である。

 人口、予算規模、GDPにおいても、一国の大統領を選ぶかのような首都・東京の知事選挙の告示があった。50人を超える候補者が乱立する前代未聞の選挙戦に突入する。

 ネットを駆使しての選挙戦が想定されるが、自己のアピールよりも他陣営の誹謗中傷に終始しないことを願うばかりである。アンフェアな生き方が広がっていることへの懸念でもある。

 6月のある日の新聞紙上に3件の殺人事件の記事があった。

 1件目は意思疎通の行き違い。分かり合えるまでの話し合いが足りない時代である。2件目は男女関係の行き違い。愛想を尽かされた男の度量と魅力のなさが原因なので、出直して自分を磨くことである。3件目は通り魔的な見知らぬ人と、自己中心的でむしゃくしゃしていたなど、いろいろな自分勝手な言い訳はあろうとも、それぐらいのことで人の命を奪うほどのことではないはずである。崇高な人間として在るべき姿の教育ができていない。

 若いうちに、努力の後に夢や希望が叶えられると同時に、世の中そうそう自分の思い通りにはいかないことも学ぶべきである。

 各種ハラスメントが増えてきている。店や交通機関で言いがかりや難癖を付けたり、クレーマーの発展系とでも言うべきか、カスタマーハラスメントが増えている。これらの人種も自己中心的である。つまりは、社会になじめない人が増え続けている。

 いろいろな仕事場で関わる人材も幼稚で稚拙(ちせつ)であり、メンタルが弱い人間がなんと多いことか。社会人になってから気づき成長することも多いが、ベースとなる性格は6歳までに形成されることから、幼児教育に力点を置かなければ未来は危うい。その後の初等中等教育の間に社会に出ての在るべき生き方について学ぶ必要がある。

 しかし、机上学問ばかりが偏重され、その機会があまりにも少ないことを懸念している。その意味において、修学旅行の物見遊山の観光地やテーマパークを禁止して、人、自然、食をテーマとして、体験交流やSDGsを柱にした新しい教育旅行の在り方を考える時である。保護者や学校の言い分では変わらない。未来を開く旅づくりが求められている。

 
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