【全旅連青年部総会 記念対談】星永重 部長×塚島英太 新部長


 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部は10月25日、札幌市の「ロイトン札幌」で第26回全国大会を開く。全国から青年部員ら千人規模が参集。アフターコロナに向けて同業者同士の結束を確認する。開催を前に星永重部長(福島県・藤龍館)と、9月12日の臨時総会で次期部長に内定した塚島英太副部長(長崎県・ホテル長崎)に2021、22年度の2年にわたる「星体制」の回顧と今後、来年4月からの次期「塚島体制」のビジョンを語ってもらった。(聞き手=本社・森田淳)

 ――星体制のこれまでの振り返りを。

 星 「観光を基幹産業にする」ことをスローガンに頑張りたいと話したのが約2年前。もう2年近くたったのかというのが正直なところだ。

 コロナ禍であり、政策的な活動をより積極的に行わなければならない年度、体制だったが、多くの成果が上がり、周囲のわれわれに対する見方もだいぶ変わってきた。

 全国から出向している青年部員には感謝しかない。副部長をはじめ、仲間が心を一つに、一致団結して行動した結果、われわれが要望していた高付加価値化事業(観光庁の「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」)の基金化や、さまざまな予算の獲得につながったのではないか。

 今度の全国大会では、われわれはこれだけ強い組織になったのだ、ということを部員の皆さんに確認してもらうとともに、今期の残りの期間に控えている大きな事業に向けて、良い弾みとしたい。

全旅連青年部第25第部長 星永重氏
 

 ――今後の事業の一つが「グローバル・リフォーム・ビーアンドビー・フォーラム」。

 星 ニューヨーク、パリ、バルセロナ、ブエノスアイレスなど、世界の観光先進都市のホテルアライアンスが中心となって、違法民泊を撲滅しようと立ち上げた会議だ。UNWTO(国連世界観光機関)の承認会議となっている。

 前回は5月22~24日にパリで行われ、われわれ青年部も参加したが、われわれが次期会議を京都に誘致した。11月30日から12月2日まで開催する予定だ。違法民泊の問題を議論することはもちろん、世界のさまざまな宿泊事情について情報を把握、共有する。

 塚島 世界レベルで同業者同士の交流や勉強ができる機会は今までほぼなかった。

 星 日本の宿泊団体を代表するという自負をもって、しっかりと成就させたい。

 ――塚島次期部長は星体制で財務・政策担当副部長として活動している。

 塚島 全旅連青年部には今まで14年間出向してきたが、政策については初めての経験だった。星部長から任命いただき、今までの先輩たちのやってこられたことを勉強して、見よう見まねで繰り返しながらも、今の時流に合った取り組みもしていかなければとさまざまなチャレンジをした。コロナ禍でイベント的な事業がなかなかできない分、自分が担当している政策の分野が忙しかったのがこの1年半だと思う。

 大きな成果がいくつかあるが、その一つとして、われわれ宿泊団体と政治の間の距離がかなり縮まったのではないかと自負している。前期の鈴木部長のときもかなり太いパイプがあったのだが、さらにそのパイプが太くなったと感じる。陳情の際、先生と直接アポイントを取れた数は、前回は優に50人を超えた。今まではなかったことだ。

 青年部員みんなの当事者意識が上がってきたと感じる。今までは中央の政治について、自分たちは少し外側にいて、地元での活動だけが自分の役割だとの思いもあっただろうが、今はだいぶ変わってきた。みんなの力を集めれば事は動かせるということを実感したと思う。

全旅連青年部副部長(次期部長予定者)塚島英太氏
 

 ――コロナによる債務の償還年数が平均17.5年という青年部の調査はショッキングで、さまざまな場面で引用されている。

 塚島 コロナ禍でどれぐらいの借り入れが発生したのか、また借り入れを返すのにどれぐらいかかるのかを、全国の宿泊事業者を対象に調査したところ、償還に平均17.5年という非常に厳しい数字が出た。

 さまざまな金融政策が出て、実質無利子無担保という非常に有難い、今までにない政策も出していただいたが、借りたものはしっかりと返していかねばならない。

 われわれは前を向いて進むしかない。さまざまな助成制度、補助金を頂きながら地域の面的再生、高付加価値化をして、顧客満足度を上げて単価を上げていく。われわれは稼げる業界にならねばならない。

 しかし、債務免除はともかく、何かしらの救済措置を取っていただくことも同時並行で必要だ。われわれは引き続き訴えていく。

 ――売り上げがコロナ禍前に戻っても、平均17.5年間は債務を返済し続けていかねばならない。それまで何らかの救済措置が必要ということか。

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