「箸置きマット」運動で広がる島の販促体制
新潟県佐渡の旅館・ホテル女将で組織する「美佐渡会両津クラブ」は、食事の席で食器の下に敷く「箸置きマット」を使い、地域の魅力をアピールする運動を2011年から行っている。これまで9種類のマットが作られ、18軒の旅館・ホテルで約30万枚を使用。観光客にも好評だ。
まず、「日本ジオパーク」に認定されている佐渡の自然の魅力をアピールする箸置きマットが作られた。美佐渡会の発案で、佐渡市が市民らに、マットに載せるイラスト案を募集。イラストと説明文を載せたマット5万部が作られ、各旅館・ホテルで使用した。マットには原発事故で佐渡に避難した福島県の人が作った「美佐渡会」のはんこを押印。押印作業は島内の福祉施設で、1枚1円で行ってもらった。さまざまな個人・団体がマットの制作に関わっている。
マットはほかに、「佐渡金銀山を世界遺産に」というメッセージを載せたものや、JA、酒組合、佐渡汽船など、さまざまなデザインが作られた。
マット制作の経緯を各旅館・ホテルで説明すると、観光客は興味津々で、実物を持ち帰る人も多い。マットを制作した各団体も喜んでいるという。