インクルーシブな社会実現に向けて
沖縄県名護市の「ホテルゆがふいんおきなわ」は、地元の特別支援学校と連携し、「デュアルシステム企業実習型授業」に取り組んだ。地域貢献活動の一環で、生徒らにホテルでの仕事を体験してもらい、それぞれが持つ能力や個性を最大限に発揮できるよう努めた。
デュアルシステム企業実習型授業はドイツで行われている職業教育。職業訓練を企業と職業学校の両方で平行して行う教育システムをいう。
特別支援学校の生徒を受け入れ、毎週火曜日の2時間、宴会場の設営、客室清掃など、ホテルの仕事を体験してもらった。ホテルの料飲課長がトレーの持ち方や位置、バランスなどの基本を指導。生徒には体験の意義や、職場における態度や礼儀も指導し、学校が狙いとする「企業現場で求められる態度やコミュニケーションを実践的に身に付け、望ましい職業観を学ぶ」ことに寄与した。
ホテルは障害のある人とない人が共生する「インクルーシブ」な社会の実現を目指す。
「地域での(実習の)受け入れ企業が増えることで、生徒の卒業後の自立、企業での人手不足緩和にもつながると感じている。今後も学校と連携し、長期的に実習型授業を受け入れたい」。