酒販店連携の地酒フェア実施による地産地消サイクルの構築
岐阜県下呂温泉の睦館は、地酒をコップで提供する「飛騨コップ酒フェア」を実施。自館の販売拡大にとどまらず、地元酒蔵や酒販店の販売拡大、地産地消の推進に寄与した。
コロナ禍で宿泊客、宴会需要が急減。旅館や飲食店向けの販売比率が高い下呂市内の酒蔵、酒販店や酒米農家も販売量が激減するなど苦境にあえいだ。
創業1912年、地元で110年商売を続けてきた同館は、2021年11月に始まった「岐阜県民割」に合わせ、苦境に陥る地元事業者に「少しでも恩返しを」と検討。取引酒販店と連携し、今回の企画を始めた。
県内酒米で醸造された地元酒蔵の日本酒を、試しやすい小容量のコップで夕食時に販売。県民割の客であることを意識し、「県内で流通し、購入しやすい銘柄」「会席料理の味に寄り添う銘柄」などの観点で酒販店と協議し、5種の銘柄を選定した。
実施期間は21年11月から22年2月まで。当初は12月で終了の予定だったが、反響が大きく、2カ月延長した。
館内での個人客への日本酒類売り上げがコロナ禍前の同期間と比較して148%に拡大。
宿泊客に近隣酒販店や酒蔵直売所を多数紹介し、各店でのフェア期間中の取り扱い銘柄の売り上げも拡大した。