地域活性化としての宿での子ども食堂
奈良市の「山代屋」は、館内に「子ども食堂」を月に1回開設している。未来を担う子どもたちに食の大切さを感じてもらおうと、食育インストラクターでもある女将が安心、安全な手作り料理を提供。子どもたちの苦手食物の克服にもつながっているという。
オープニングはミシュラン星付きレストランのシェフ2人に手伝ってもらい、目にも楽しい料理を出すなど豪華なものに。「貧困な子どもが主流の食堂は行きづらい」という意見を考慮し、誰もが来たいと思わせる食堂にしようと工夫した。
料金は中学生以下が無料で、高校生以上500円。子どもに限らず大人も対象に加え、少子高齢化、核家族化、独居老人世帯の増加が進む中、施設を「地域における居場所」「老若男女が集うコミュニケーションの場」とした。
企業からの依頼を受けて、食育や薬膳セミナーを開催。食育・薬膳セミナー付きの宿泊プランを作り、好評を得ている。
「現代は新型栄養失調の時代ともいわれる。日本人が1年間に食べるとされる添加物量は約7キロ。小さな子どもが1人でインスタント物を買う姿も見受けられる」と同館。事業を通して子どもたちの健康増進を図りたい考えだ。