地元高校生ガイドによる御便殿ツアー
和倉温泉旅館協同組合(石川県七尾市)は、地元の高校生と連携し、「御便殿ツアー」を企画した。旅行会社社員向けのモニターツアーを実施。「温泉地の目玉に」と今後に期待を寄せている。
御便殿は大正天皇が皇太子時代に地方を行啓した際、休憩所として建てられた臨時の建物。使用後に取り壊されるのが一般的だが、和倉では現存。現在は温泉地にある二つの寺(青林寺、信行寺)に移築保存されている。
組合は希少価値のある御便殿を多くの人に知ってもらおうと、ツアーを企画した。観光を学ぶ学科がある地元の県立七尾東雲高校と連携。生徒にツアーの経路や客への案内文を考えてもらうほか、ガイドを務めてもらった。
モニターツアーは湯元の広場、渡月橋、御便殿跡地、青林寺、信行寺を巡り、各地で和倉温泉の歴史の解説、クイズの出題、座禅体験、お茶体験と、バラエティに富んだ内容。
ツアーに参加した旅行のプロによるアンケートをもとに、ツアーの本格的な商品化を模索。「和倉の宝を多くの人に知っていただき、地域活性化につなげられるようにしたい」。事業に参加した高校生が観光にさらに興味を持ち、将来、同業界に就職することも期待している。