層雲峡観光協会会長 西野目 信雄氏
SNSなどで情報発信
――「大雪森のガーデン」は、西野目会長が社長を務めるDMO大雪山ツアーズが管理運営しています。魅力をどう捉えていますか
「道内には八つのガーデン街道がありますが、ここは丘陵に広がるガーデンで、最も標高が高い。園芸種が育つギリギリの場所であり、高山帯の植物も見ることができます。かつ、大雪山連峰を望み、風光明媚な景色は他にはありません」
「また、地元の酒蔵・上川大雪酒造が手掛けるカフェ『緑丘茶房』や、フレンチシェフの三國清三さんがプロデュースするレストランなどもあり、見て、味わえます」
「半面、花が咲くのが遅かったり、季節が早く終わってしまうというデメリットもある(笑い)。広大な土地に約900品種の草花が植えられており、箱庭的な見せ方はできませんが、ガーデンファンの評価は高いと認識しています。スタッフの努力のたまものです。仕事がしやすいようバックアップしていくのもわれわれの努めです」
――年間来場者数はどのくらいですか。
「3万人ほどです。コロナ禍も収束し、徐々に増えていますが、まだまだ少ないです。5万人はいかないとペイしません。あと2万人をどう上乗せするか、大きな課題です。ただ、外国人も増えており、悲観はしていません」
「魅力を知ってもらうという意味ではSNSなどを利用した情報発信にもっと力を入れる必要がある。また、一番層が厚いシニアをどう引き付けるかですね。ガーデンツーリズムの潜在需要はけっこうありますから、『森のガーデンに行けばこんな楽しみがある』といった話題を提供する必要がある。簡単ではありませんが、地道に発信していくしかない」
――ガーデンプラスアルファについては。
「レストランやカフェはあるのですが、相対的に食事をする場所が少ないのがネックです。ガーデンとグルメ、アクティビティを含めた、楽しみ方のメニューを作り、どう提供するか。5年、10年先を見据え、幅広い方々から意見、考えを聞き、方向性を定めたい」
「参考のためにいろいろなところを見て回っています。足利フラワーパークにも足を運びました。夜間のイルミネーションに感動し、ガーデンに取り入れてはどうかとも考えました。費用対効果などを考慮するとなかなか難しいのですが、試行錯誤し、チャレンジしていきたいと思っています」