上川町長 西木 光英氏
MTBで付加価値向上
――旭川から帯広までの八つのガーデンをつなげた「北海道ガーデン街道」がありますが、「大雪森のガーデン」の魅力は何でしょう。
「やはり場所でしょうね。大雪山連峰を望む丘陵に広がる森に造られており、雄大な山と花の見事なコントラストは他にはありません。標高が650メートルと高いため、花の咲く時期が麓のガーデンとずれていることもある意味違った魅力として生かされているのではないでしょうか」
「周辺には層雲峡温泉やアクティビティ施設のほか、フレンチの巨匠・三國清三さんがプロデュースしたガーデンレストランとヴィラも併設されており、観光のメニューはとても豊富です。ガーデンを軸にさまざまな楽しみ方を提供します」
――場所柄、営業期間は半年ほどと短く、入園者数も限られているのでは。
「そこはネックですが、仕方がありません。開園当初は10万人の目標を掲げましたが、新型コロナ禍前で3万7千人ほどでした。その後、コロナ禍で減少を余儀なくされましたが、徐々に増えつつあります。当面は5万人を目標に掲げ、ガーデンの魅力に磨きをかけ、情報発信を行っていきます」
「また、台湾など外国からガーデンを訪れる観光客も少なくありません。ガーデンファンは国内外を問わずいますので、一定の需要はあると思います。やり方次第ですね」
――昨年9月、森のガーデン近くにマウンテンバイク(MTB)コースを設けました。これはガーデンの将来を踏まえたものですか。
「森林空間を活用した観光業の創出が目的で、もちろん森のガーデンを盛り上げる狙いもあります。山梨県の『YAMANASHI MTB 山守人』と連携協定を結びました。MTBで森林に気軽に入ってもらうことで、森林を身近に感じ、森の大切さを理解していただければうれしいですね」
「まず展望台コースと元気の森コースの二つを整備しました。これまで行政主導で行ってきましたが、今年度は民間に委託する方針で、選定作業を進めています」
――前町長は「北の山岳リゾート」を掲げました。
「基本的にはその構想を継続します。インバウンドも視野に入れたアドベンチャートラベル(AT)を推進します。ガーデンはその主軸となるもので、観光協会や商工会をはじめ、皆さんと話し合って、方向を定めたいと思います」