「タピる」という言葉が「新語・流行語大賞」のトップテン入りしたのは2019年のこと。念のため解説すると、タピオカドリンクを飲むという意味だ。当時の爆発的ブームは去ったものの、今なお台湾スイーツ人気は衰えていないらしいと、TV情報番組で知った。
台湾スイーツって一体何? 白状すると、実は人生で1度もタピったことのない、スイーツに疎い筆者。調べてみたら、いろいろあるではないか。まずは「豆花(トウファ)」。豆乳プリンみたいなモノで、シロップをかけ、タピオカや小豆、フルーツなどをトッピングするそうな。
そして「芋圓(ユーユェン)」。タロ芋や里芋、サツマ芋などから作るモチモチのお団子だ。アニメ「千と千尋の神隠し」のモデルともいわれる九份(きゅうふん)の名物。豆花やタピオカと合体していることも多く、かき氷のトッピングにもなっているようだ。
そのかき氷こそ「台湾かき氷」と呼ばれる「雪花冰(シェーホアピン)」。最近かき氷が注目されているが、そのキッカケとなったのがコレ。味付けされた氷を削った物で、フワフワの食感が特徴だ。芋圓の他、タピオカや小豆、フルーツなどがトッピングされる豪華版も多いらしい。
そんな台湾スイーツの中でも、今最も注目されているのが「台湾カステラ」である。今年5月にその元祖「GRAND CASTELLA」が東京スカイツリータウン・ソラマチにオープン、いまだ整理券を配布しているほどの盛況ぶりだそう。ローソンでも今年1月に「台湾カステラサンド」を発売したそうだが、何とたったの3日間で1万個以上売れる大ヒットとなったようだ。
イマドキ、流行を作るのはSNSである。「インスタ映え」するモノがブレイクするのだ。このカステラ、見た目は地味だが動かすとタダ者ではない。横揺れしたときのプルップルな感じがインスタの動画で拡散し、ヒットにつながった。
カステラっていうけど、ニッポンのそれとどう違うのか? 日本のカステラは強力粉を使い全卵を入れるが、台湾カステラは薄力粉で、卵白のメレンゲと卵黄を分けて入れる。つまり、前者はしっとりした食感に、後者はふんわりした食感になるというワケ。
行列ができるスイーツだが、家でも作れるというのでレシピを確認したところ、かつて何度も作ったシフォンケーキとあまり変わらないと分かった。火入れの際、オーブンで湯煎焼きするところが違うくらいだ。材料も、粉と卵と牛乳と植物油とお砂糖のみ。食べてみたいから、作ってみよう!といざキッチンへ。
植物油を湯煎で80度に温めたり、40度の牛乳を入れるなど、温度管理がチト面倒なだけで、あとはメレンゲさえしっかり泡立てれば、ちゃんと膨らんでくれる。オーブンに入れて1時間、ぷるフワな台湾カステラが焼き上がった。
ふわっふわな食感が最高♪ 甘過ぎず、カロリー控えめだから、罪悪感なく食べられる。…って、たくさん食べちゃダメだけど。台湾カステラ作り、おうち時間にピッタリ。ぜひお試しを!
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。