食べるコトと飲むコトが何より好きな筆者、今現在、いかに家呑(の)みを充実させるかが日々のテーマだ。そのためのお買い物も、レクリエーションの一つ。品ぞろえの充実したスーパーマーケットでいろんな食材を見ていると、アレを作ってみようかな?なんて考えるだけで楽しい。料理好きにとって、まさに食のアミューズメントパークだ。
筆者が通っていたのは、自宅から徒歩圏内にある「マルエツ」。広くて品ぞろえが豊富で、店内にベーカリーもある。月初めに開催される「一の市」と月中の「中の市」では、牛肉が全品4割引になるので、ちょっとぜいたくなお肉にも手が届く。また、携帯で商品のバーコードを読み取るだけで会計ができる「Scan&Go」というシステムがあり、レジに並ぶ必要もない。人と接触せず現金にも触れずに済み、コロナ禍の今有難い。
ところが一昨年末、家から車で5分の所に「食品館あおば」がオープンすると、すっかりファンになってしまった。何たって、ワクワクしちゃうほどの品ぞろえなのだ。野菜は、価格ではマルエツに軍配が上がるものの、種類の豊富さではあおばの勝ち。例えば葉物野菜では、筆者の大好物ロメインレタス、クセのあるエンダイブ、わさび菜なんかも常に扱っているのだ。
特筆すべきは、肉類と魚介類の充実度。牛肉ならトモサンカクやザブトンなど、よそのスーパーではあまり見かけない部位が並んでいるし、豚肉も皮付き三枚肉やスペアリブなど種類が豊富。丸鶏だっていつでもある。量の多いジャンボパック各種は、ムチャクチャお得。その上、かつては外国人御用達の「ナショナル麻布」などに行かないと買えなかった生のラムチョップも、フツーにケースに陳列されている。
魚介類に関しては、都内で行列のできる魚屋として有名な「魚寅」が入っているのだから最強だ。行列客お目当ての、錦糸町店名物「マグロぶつ」と「タコぶつ」がここでも買える。これまた筆者の大好物ムール貝も、冷凍ではなく活貝の状態で販売されている。
最近のお気に入りは「中おち太巻」。超ビッグな太巻に、マグロの中落ちがビッシリ入って大満足! しかも1本500円と破格だ。それもそのハズ、同店は三浦三崎港のマグロ問屋「鈴木水産」が経営しているから、マグロは得意なのだ。
こういう大手でなく、町中の商店的スーパーで、会社近くの「八百賢ストア」にもよく行く。「毎度!」なんて声を掛けてくれるのもうれしい。同店の精肉部は、昔ながらの対面販売。お気に入りは、焼肉用のミスジ。牛の肩甲骨の裏あたりに位置し、軟らかい霜降り肉だが、脂はくどくない。1頭からわずか2~3キロ程度しか取れない希少な部位なので、頼んでおくと良い物が出た時少しずつ冷凍して取り置いてくださる。しかも超お買い得! 人間関係がないとできないワザで、小規模店舗ならではだ。
次号では、現在右肩上がりに売り上げを伸ばしている二つのスーパーに迫る!
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。