日本三大花火の一つ「長岡まつり大花火大会」で有名な新潟県長岡市。県内では新潟市に次いで人口が多く、中越地方の経済の中心地だ。この地で70年以上お米の商いをされている株式会社野上米穀にご縁して以来、長岡の食材に触れる機会が増えた。同市は市町村別米収穫量で全国第3位の米どころだが、山間部から日本海に面する地域まで豊かな自然に恵まれ、米だけでなくおいしい食べ物の宝庫だ。
中でも特筆すべきは野菜。夏は高温多湿で、冬は寒く、日本有数の豪雪地帯。その雪解け水が、信濃川が培った肥沃な土壌を潤す。この独特な気候風土に育まれたのが「長岡野菜」。同市周辺の生産者や農業団体、流通業者等が設立した「長岡野菜ブランド協会」が認定基準を定め、現在16品目が認定されている。
なす王国と呼ばれる新潟県、実はなすの作付面積、消費量とも日本一。その種類も多く、コレは漬物、コチラは蒸すなど、料理によって使い分けるそうだ。県内で栽培されている約18種以上といわれる品種のうち、「長岡巾着なす」「梨なす」「八石なす」の3種が長岡野菜に認定されている。
毎年8月2、3日に開催される同市の花火大会。コロナ禍で中止を余儀なくされたが、昨年マスク着用など制限はあったものの、3年ぶりに復活。完全復活した今年、筆者も野上米穀さんがご手配下さった観覧席から観賞させていただいた。帰り際、野上会長の奥さまからお土産に頂いたのが「梨なす」の浅漬け。これぞ、長岡野菜である。
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