もう、どうなの? というくらい、この夏は暑い。そんな今、おうちランチの定番は、キンキンに冷やしたそうめんだ。あまり長時間キッチンに立っていたくないが、ゆで時間も短くて済むし、氷水で麺を揉み洗いするのも苦ではない。ただ、薬味を刻むのだけは外せない。
薬味は冷蔵庫の在庫次第だが、あると一番うれしいのがミョウガ。爽やかな香りとほのかな苦味、シャキシャキの食感がたまらない♪ でも大好物なのに、「ミョウガを食べ過ぎると物忘れが激しくなるのは迷信だ」ということぐらいしか知らなかった。実はミョウガってショウガの仲間で、ショウガ科ショウガ属の多年草だったのだ。
一番の違いは、ミョウガ独特の香り成分α―ピネン。揮発性で熱に弱いから、食べる直前に切るのが鉄則、生が一番美味とされるのだ。生姜焼きがあるのにミョウガ焼きが無いのはそういうワケ。このα―ピネンには、物忘れどころか頭をスッキリさせる効果や、食欲増進、血液の循環を良くする作用などがあり、夏バテ予防にピッタリ!
アジア東部が原産とされるが、食用として栽培しているのは日本のみ。なので英名はJapanese Ginger。日本では、奈良時代の「正倉院文書」に登場するほど、古くから親しまれてきたようだ。現在はビニールハウスでの養液栽培も行われ通年流通しているが、露地物の旬は6~7月の「夏ミョウガ」と8~10月の「秋ミョウガ」。生産量日本一は高知県で、何と全国の9割以上を占めるそうだ。
会員向け記事です。