大正クエスト(東京都世田谷区)はこのほど、トコジラミ調査シート「dry hunter(ドライハンター)」の提供を開始した。旅館・ホテル自らが、客室などにトコジラミがいる、いないを容易に判定できる、薬品を使用しない簡易的ツールとなっている。
同社取締役研究開発部、菊池健一氏によるとインバウンドなどの回復により、海外から持ち込まれる荷物などにトコジラミが潜み、滞在先のホテルを中心に繁殖。被害が拡大しているという。
トコジラミの成虫の大きさは5~7ミリほど。夜行性で、日中はベッドや、家具などの隙間に紛れているのでその存在の確認はやっかいだ。夜になると活動を開始し、人の呼吸により排出される二酸化炭素(CO2)に反応し、血を吸う。吸われた人は赤いハレができ、かゆみを訴えるため、被害が明らかになる。
客室でトコジラミの発生が確認されると最長1カ月、売り止めにする必要がある。専門業者を呼んでスチーム処理などを繰り返し行う必要があるためだ。費用は50~60万円かかるとされる。
トコジラミ調査シートの使用方法はこうだ。生息ポイントとなるベッド周辺に約1.5~2メートル範囲で設置する。その後、調査シートの白い離形紙を剥がし、シート中央に約500グラムのドライアイスを置いて、部屋の明かりを落とす。
約5~6時間後に、粘着シート部分を目視で確認。捕獲があった場合は、専門会社に駆除を依頼する。トコジラミなどが吸着していなかったシートは、5~6回再使用できる。
同社では、宿泊施設向けにトコジラミ対策用の研修ビデオなども提供。万全のサポート体制を構築している。
菊池氏は、「現在、一般の旅行者から滞在予定のホテルにトコジラミ対策を講じているか、という問い合わせが増えている」と指摘。「このシートを導入すれば、そういった宿泊者へ安全と安心をアピールできる」と話す。
新製品は特許出願中で、価格は10枚パックで税別6500円。
問い合わせ先は、大正クエストTEL03(6431)0009。
調査シート(全体)