宿経営者のコンサルタントとして、一番多い仕事は会議へのアドバイザーとしての出席です。進行役を担い、全体を仕切るコンサルタントもいるようですが、私のスタンスはできる限り黒子に徹します。経営者や進行役が自信をもってその会議を活用できるよう、かじ取りを行っていきます。
代表的な会議は予算(計画)と実績の差異を検証する月次会議です。これはかなりのお宿で実施されていることと思います。
この会議の主な内容は次のようなものです。
・前月の部門別売り上げ実績
・前年および予算(計画)との差異数値
・差異の原因について各部門担当者からのコメント
・今月以降の部門別売り上げ予算(計画)の確認
・今月以降のオンハンド(予約状況)の確認と共有
・累計差異を考慮した予算(計画)達成のためのアクションプラン
よく言われるPDCAサイクルの中でのC(チェック:検証)とA(アクション:改善)がこの会議に当たります。
さて、この実績値が予算(計画)値を上回っていれば問題ないのですが、毎月のように下回っているケースがあります。そこでは担当者が気まずそうに、計画未達であった数字を読み上げ、経営者は不機嫌な様子でその理由をただします。それに対して担当者は「力不足で申し訳ありません。来月は全力で計画達成するよう頑張ります」という会話が交わされます。他の出席者は、皆一様に下を向いて重苦しい雰囲気の中、会議が終わります。
会員向け記事です。