【教育旅行特集】北方領土の平和学習と鮭に支えられた暮らしに学ぶ 北海道・標津


原始河川、ポー川でのカヌー体験

【知床の自然環境・産業・食・平和学習・歴史文化】

 世界自然遺産知床の南に位置する当町は、海、山、川、大平原のあらゆる資源に囲まれ、1万年の間、人々が暮らし続けている痕跡が残る唯一の地域。北は秘境、知床国立公園の山々が連なり、東の海岸から24キロ先に北方領土、国後島が望め、内陸にはミルクの里の雄大な牧草地群が広がっております。1万年続く暮らしを体感する歴史文化に基づく地域ストーリーを軸に、地域の人々の暮らしに触れる教育旅行の受け入れを行っております。

 

【食への理解を深める】

 国内初となる食の安全・安心供給システムを水産業における「地域ハサップ」生産活動としてプログラム化し、学習素材として提供しています。製品検査だけでなく、原材料の生産から加工、流通に至るまでの全工程であらゆる危害の発生を分析し、工程中の重要な管理点を監視するシステムを当地ではイクラや新巻鮭(ざけ)作り体験などを通して学べます。

 酪農が盛んな根釧地域では、周辺地域との連携で約20軒、生徒数約30人の酪農家民泊の受け入れから、酪農業の仕事を手伝い、労働の大変さを家族の一員として汗して学び、収穫の喜びを共有する活動を展開しています。

 

【平和学習 北方領土を考える】

 終戦直後、旧ソ連軍が千島列島を侵攻し、北海道の間近までやってきたこと、北方四島に住んでいた1万7千人の人々が着の身着のままで島を追われた史実については、あまり知られていないのが国内的な現状です。そして島で暮らしていた元島民の高齢化に伴い、引き揚げ当時の様子などその真実を直接聞くチャンスが年々難しくなってきております。戦争の恐怖や平和の大切さを講話やグループワークを通して考える体験は、日本の領土が間近に見える当地ならではの平和学習プログラムです。

 

【日本遺産「鮭の聖地の物語」根室海峡一万年の道程】

 根室管内の四つの市町(根室市、標津町、別海町、羅臼町)に住む人々は、鮭と密接な関わりを持つ歴史を歩んできました。2020年6月19日、人と鮭の関わりの歴史を語る4市町のストーリー「鮭の聖地の物語」は、日本遺産審査委員会の承認を得て、日本遺産として文化庁に認定されました。

 当町には、約4400個を超える古代の竪穴住居跡の無数のくぼみが連なり、日本最大の遺跡群「標津遺跡群 伊茶仁カリカリウス遺跡」が形成されています。遺跡からはあらゆる時代の竪穴から大量の鮭の骨が出土され、この地が鮭を求めて人々が集まる集積地だったことが分かっており、自然との長い共生を今に伝えています。「鮭の聖地の物語」の地域ストーリーを体感するプログラムを通して、より地域への学びを深めます。

 

【アフターコロナを見据え、エコ・ツーリズムからサスティナブル・ツーリズムへ】

 当町では、約20年間、エコ・ツーリズム事業を展開してきました。そして、新型コロナウイルスへの対策として、エコ・ツーリズム事業に取り組む関係者が一丸となり、感染予防対策のガイドラインを作成し、受け入れ環境を整えています。

 今後はより一層、SDGsの取り組みが求められています。「鮭の聖地の物語」は1万年の人々の暮らしそのもの。それをひも解くことが根室海峡沿岸部のSDGsを学ぶことにつながります。

 「安心安全」「清潔」に加え、「自然共生・環境志向」の取り組みも深化させ、「持続可能な観光=サスティナブル・ツーリズム」を推進していきます。

 

 

原始河川、ポー川でのカヌー体験

 

標津町エコ・ツーリズム交流推進協議会


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