「世界遺産の国境離島」SDGsを学ぶフィールド
九州の西の端、長崎から西に約100キロに位置し、11の有人島と52の無人島で構成される五島市。
古くは遣唐使の寄港地、海外貿易の拠点として栄え、またカトリック信仰の地として数多くの教会が点在し、さらに倭寇や空海の伝説が残り、城郭や武家屋敷など歴史文化遺産も豊富であることが五島市の魅力です。
■五島市体験交流協議会
五島市体験交流協議会では、豊かな自然と多様な農林漁業の営み、歴史や文化を生かした体験交流型教育旅行の受け入れを行っています。
「五島感動しま旅!」と銘打った一連のプログラムは、地域に暮らす人のなりわいや生活を一緒に体験したり、地域の自然や歴史をともに楽しんだりといったそこでしか味わえない、「ほんもの体験」にこだわっています。
現在、教育民泊は市内全域で最大100軒400人までの受け入れが可能となっています。
■SDGsへの取り組み
2021年以降本格実施されている新学習指導要領では、主体的、対話的で深い学びの実現「アクティブラーニング」による課題発見・問題解決型学習が重視されています。
また、「よりよい学校教育を通じて、よりよい社会を創る」という目標を共有するために、SDGsの目標や取り組みを関連付けた質の高い教育プログラムが求められています。
本協議会では、これまで島ならではの、豊かな自然を楽しむ自然体験など多種多様なプログラムを提供してきましたが、これらの体験プログラムを生かしながら、新学習指導要領とSDGsを結びつけた体験プログラム構築に取り組んでいます。
一例として、五島市は、2013年に全国で初めて、浮体式洋上風力発電施設が設置され、その後、本格的な運用について知見を深めるとともに、周辺海域や海洋生物、生活環境への影響調査を継続した結果、安全で環境への影響が小さい発電施設であることが確認されています。
このような海洋再生エネルギーと漁業との共生により、次世代につなげる持続可能な社会を目指した先進的な取り組みを現場で感じるプログラムを体験することで、具体的なSDGsを学ぶ機会になると期待しています。
その他にもカトリックの信仰の地として数多くの教会が点在し、世界文化遺産に登録された歴史的背景と関連付けた体験なども提供していく予定です。
今後、このような五島市ならではの課題発見・問題解決に結びつくプログラムを構築し、五島市でしか学ぶことのできない体験プログラムを提供することで、未来を創る子どもたちに深い学びを感じていただきたいです。
「釣りの聖地」で行う船釣り体験(市内全地区)