お客さまから見ると旅館の仲居さんは、旅館で最初に出会う、そこから旅館での体験が始まる重要な存在だ。しかしながら、従業員の視点からみるとどうだろうか。一言で言って「ブラック職場」という印象ではないだろうか? 給料が安い。休みが取れない。仕事がきつい。それ以前に最も大事なことは、仕事に夢が持てないことだ。航空会社の客室乗務員やグランドスタッフも非常にきつい職場だが、夢のある職場作りをすることで就職の人気は高い。グッドジョブカードで互いに褒めあう文化をつくる。お客さまからのお褒めの言葉や厳しいご指摘を役員会で披露する。改善できることはその場で改善策を出す。全国大会を実施してホスピタリティの技を競うなど仕事に誇りを得られるよう工夫をしている。最も素晴らしかった例をDVDにして伝説として残す。会社自身も五つ星をとってブランド力を高めた。夢と誇りを持てる職場づくりである。これらのことから以下の提言をしたい。
「RYOKAN」「NAKAI」を世界語にする努力が重要だ。お褒めの言葉を観光経済新聞に掲載、全国大会で最優秀NAKAIを表彰する。NAKAIのホスピタリティを世界にアピールするのである。結婚式場の仕事がウエディングプランナーという映画をきっかけに大人気の就職先になっているように。働く者が夢と誇りを持てれば「NAKAI」希望者が世界から殺到することも夢ではない。
小川氏